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空母「ネオ・ヴェネチア」を中核とする艦隊はラファールの作戦行動の圏内空母「アクア」の艦隊がある事が分かると暁達ラファール戦闘機隊を救援に送った。
「ミラグラトーレリーダーより、サラマンダーリーダー。サラマンダーは敵攻撃機に向かえ、残る敵の護衛戦闘機は任せろ」
暁に命令が下る。ラファール隊の隊長である出雲新太の声だ。暁の兄ではあるが、ここでは指揮官として接している。
(任しとけ兄っ!)
暁は晃と新太の期待を背負っていると感じ高揚する。暁は目を戦術情報が表示される液晶ディスプレイに目を向けた。「アクア」の早期警戒管制機からのデータリンクで映る戦況は新太が敵編隊の戦闘機と交戦を始めた事を表していた。また、敵の編隊の一部がまだ空母「アクア」の艦隊に向かっているのが確認できる。
「あかつきん。今がチャンスなのだ」
僚機の綾小路宇土51世こと、ウッディーが暁に戦況を見ての判断を言った。
「まさしくそうだな!よし、サラマンダー隊攻撃だ!」
暁が率いるサラマンダー小隊のラファール戦闘機4機はM88エンジンの出力を上げて戦闘に挑む。
フェイズドアレイレーダーで敵を探知し、ラファールに装備されたミカ空対空ミサイルの射程まで迫った。
「サラマンダー攻撃!」
自身が待ってましたとばかりに暁は威勢良く攻撃を命じる。4機のラファールからミカミサイルが発射される。ミカミサイルはたちまち数機のジャギュア攻撃機を撃墜した。レーダーに捕捉された事が分かるとジャギュア隊は散開して攻撃をかわそうとする。しかし、主翼にエグゾセ空対艦ミサイルを下げてではマッハ1.8のラファールを振り切るのは困難だ。
「このまま追い回して邪魔してやれ!」
暁はジャギアが攻撃機であるから戦闘機のラファールに敵わないにしても数が多いために艦隊目前で全て撃墜するのは不可能と見て、ジャギュアの進行を邪魔する作戦に出た。ミサイルで撃墜もするが、機関砲でジャギアに回避機動をさせて艦隊に行かせまいとする。
「いいぞ、いいぞこの調子だ」
ラファールがジャギュアを追い回す。そんな圧倒的有利な状況に暁は作戦が成功していると思った。
(さすがオレ様が指揮する小隊だぜ)
なんて、自信過剰な事も思っていたりしたが。
「しまった!あかつきん!ジャギュア4機が艦隊に向かってるのだぁ!」
ウッディーが悲鳴を上げる。サラマンダー小隊の追い回しから逃れた5機のジャギュア攻撃機がバラバラでありながらも空母「アクア」艦隊に向かう。
「くそ!オレ様が行く!」
ジャギュアを逃した事を悔しがる暁。
「ダメだあかつきん!艦隊のミサイルが飛んで来るのだ!」
ウッディーは懸命に止める。
「むう…」
暁は地団駄を踏む思いになった。IFFがあるとはいえ、敵味方がほぼ同一の空域に居ては誤射もあり得る。