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架空戦記小説と軍事の記事を中心にしたブログです
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国会においてはテロ対策特別措置法の延長問題が論議されている。
民主党の反対で自民党は新たに「給油新法」を作り、インド洋での海上自衛隊による給油活動を継続させようとしている。だが、民主党の小沢党首は給油活動では無くアフガニスタンで活動するISAFに自衛隊が参加する事を望んでいる。
つまり給油活動か、アフガニスタンでの活動かの焦点になりつつある。

では、給油活動とアフガンでの活動はどう違うか。
給油活動はインド洋でのテロリストを援助する武器や資金源の麻薬などを海路で運ばれるを防ぐ「海上阻止行動」の支援活動である。海上で補給できる事で阻止活動を行うアメリカなどの艦艇の行動を助けているのだ。
アフガニスタンでの活動、ISAF(国際治安支援部隊)はアフガニスタンの復興支援と治安維持を行っている。現在では37カ国3万5000人以上がISAFに参加している。

さて、国会での問題を見てみよう。
(給油活動)
・給油した燃料がアフガニスタンだけでは無く、イラク攻撃に参加した艦艇にも給油された事で「アフガン作戦支援」の前提が崩れているとされている。
・作戦を行う艦艇に給油する事から憲法で禁じている集団的自衛権の問題に触れる可能性。
(ISAFの参加)
・ISAFが有志連合の国々の軍が参加している為に集団的自衛権の行使が行われる可能性。
(例えば、目の前でドイツ軍がゲリラに攻撃されたら自衛隊は救援すべく行動するか、どうかの問題)
・戦闘が予想される地域での自衛隊の活動に日本の法体系が整っていない事。
(自衛隊は部隊行動基準の改定や自衛隊法の改正で海外派遣での根拠と武器使用が明確になっているが、政治的な「自衛隊の海外派遣の根拠」が無い)

大まかに書くとこうである。給油活動の問題点を現在ではイラク攻撃転用や給油された量が隠蔽されていたなどの問題が取り上げられている。
給油活動反対の第一人者である小沢代表は「給油活動は憲法違反」としている。給油も作戦行動と一体化しているから「集団的自衛権」の問題に抵触するとしている。ISAFは国連決議での活動であるから憲法違反にあたらないとしている。
果たしてそうなのだろうか?
給油活動にしろ、ISAFにしろ出てくる憲法問題。日本の軍事や安全保障は第9条しか明記されていないが、それをそのまま読むと2項の「陸海空軍その他の戦力を保持しない」で自衛隊の存在すら違憲である。違憲の組織が何をしてもそれは違憲なのではないだろうか?(自衛隊の存在を否定する訳では無いが、日本の安全保障には必要だし、国会論争になるから憲法改正で矛盾を解消して欲しいと思う)
小沢代表の発言を聞くと何故にISAFに参加するのかよく分からない。「アフガンには民生支援が必要」と語っていたが、現在のアフガンでは犠牲者を覚悟して行かねばならぬ所である。これを「これからの日本は国際貢献で流血を覚悟する必要がある」という事なのだろうか?それとも民主党を与党にする為の政争の手段としてIASF参加を発言しているのか、よく見えないものである。
先週金曜日に放送された日本テレビの「太田光の私が総理大臣になったら・・・」で石破防衛大臣はインド洋での給油活動を「中東からの石油を日本に運ぶ航路の保全の為でもある」と発言している。今までのテロ撲滅の協力の為と言うのがインド洋派遣の論拠であったが、この発言は日本にとっての有益さをよく表すものだった。
国際社会での役割・日米同盟での役割・日本にとっての有益さ。この3つを見た場合、やはりインド洋での給油活動が最善だと思える。
外洋でのテロ攻撃はほとんど無いし、給油でのアメリカやパキスタンからの評価。石油輸送ルートの確保と、安全性と国益に適しているからだ。
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今日。日本の安全保障で重要な事が重なった日である。
・小沢民主党代表。ドイツメルケル首相と対談
・「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」第5回
・曹中国国防相来日。

まず、中国の曹剛川国防相が来日して就任したばかりの高村防衛相と会談した事に触れよう。
9年ぶりに日中の防衛首脳会談となった今回では、緊急時のホットライン開設・11月の中国艦艇の日本訪問・来月の瀋陽における演習に観戦武官として招待する。中国軍事費について。が話し合われた。
ここで目新しいのは演習の観戦に自衛官が招待される事だ。中国はロシアとの共同演習に、アメリカなどの国々に演習を見せ、人民解放軍としては初の海外展開となるロシア国内での中ロ共同演習「平和使命二〇〇七」を行うなど。中国は対外的に軍を見せる事が多くなった。
これは中国脅威論を払拭する狙いがあるのだろう。演習を見せると言う形だけでも少しは不透明と言われる中国のイメージを変えようとしてるのだ。
その不透明さの根拠である軍事費について曹国防相は軍の近代化の必要と共に「軍人の給与が上がった事と制服を新しくしている為」とした。
ここで出た中国軍の軍服は現在、07年式へと変えつつある。礼服は西側に似たデザインになり、近年の戦闘服の迷彩であるデジタル迷彩の戦闘服へと変わる。これは国際貢献や他国軍との合同演習の時に人民解放軍のイメージを高める戦略なのだ。しかし、230万の人民解放軍全ての制服を変えるのは3年掛かると言われ予算に響いている事は間違いない。
けれども人工衛星をミサイルで破壊する実験をするなど目が離せない事は確かだ。

次いでこの2つの記事を見て貰いたい。
小沢民主党代表。「国連の決議あれば派遣」
http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY200708300199.html
有識者懇談会「他国軍の後方支援」拡大容認で一致
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070830i106.htm

小沢代表の方は。ドイツのメルケル首相と会談をした席上での事だ。メルケルが次期総理を小沢と見て来たような風にも思える会談だが、「ここで日本にも議論が必要なことはよく理解しているが、国際社会で活動をするうえで、より重い責任を負わなければならい」と語り、記事では小沢は今のテロ特措法に代わってアフガンで民生支援を行う方針であるようだ。
同じ頃に首相官邸では「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」第5回が開かれ、他国軍への輸送や医療などの後方支援が戦闘行為と一体化するかについてが論議され、安倍総理は以前から戦闘行為一体化の論議で後方支援するのが良いか?と疑問を呈している。懇談会も今までよりも積極的な海外派遣の内容へと変えようとしているようだ。
国際貢献の場で1国だけが国内問題で出来る事が制限されるのは他国から尊敬されるものでは無いが、この2つの同日に起きた会談は自衛隊のアフガン派遣が有りそうな気がする。アフガン派遣の案自体は前からあったが、インド洋とイラク派遣をしているので行われなかったが。けれでも小沢がテロ特措法を潰す代償として自衛隊のアフガン派遣を容認しそうな気がてくる。小沢は民生支援の方針だが、タリバンが居る危険なアフガンで民生支援が可能なのは自衛隊だけである。
8月30日は自衛隊アフガン派遣の地ならしのように見えてならない。



(画像は選挙関連という事でw)

今回の選挙で俺は広島県選出を民主党に。比例区は維新政党・新風に入れた。
広島選挙区では自民・民主両方が当選したが民主党の佐藤氏に57万票、自民党の溝手氏で39万票近くと大きな開きのある結果になった。
これは今回の選挙の結果がそうで、参議院では民主党が第1党になる逆転劇となった。これからの問題は11月に期限が切れる「テロ特措法」の改正案をどうするかだ。インド洋で活動する海自の法的根拠であるこの法を仮に参議院の審議放棄で衆議院に差し戻される60日まで放置したら海自は何かの政府解釈でもしないとインド洋から撤退する事になる。そうなるとアメリカは日本との関係を再考する事になると思う。やはり少しでも「簡単にはいかない」とアメリカに思わせる事は必要だろう。
参議院の民主党には少し期待してますよ。けど、自民が民主と連合(法案成立だけの)する可能性もあるから過大な期待もできないな

6月5日に全国の警察本部長を集めてSATとSITの合同訓練を行った。機密扱いで警察の幹部も把握しきれないSATの実力をその目で見た訳だが、問題は警察本部の指揮能力だろう。
先月起こった愛知の事件はSATとSITと言った特殊部隊に大阪府警の刑事部捜査第一課特殊犯捜査係(通称MAAT)に愛知県警と言う混成部隊で事件に対処する事となった。
これはでは指揮系統の混乱は起こるのは間違いない。撃たれた警官の救出も「どの隊でするか?」が問題になったとも大いに考えられる。これが5時間の放置の原因の一つだろう(または、その警官が犯人宅の敷地奥に居ると言う不利な状況もあるだろう)
連合赤軍のメンバーが散弾銃を持って立て籠もった「あさま山荘事件」では長野県警と警視庁の部隊を統括する部署が置かれて多少の軋轢はありながらも警視庁主体の指揮で解決した。
将来的には銃器の犯罪は増えると思われる。こうなると各警察本部が指揮するのでは無く、各地の管区警察局ごとに現場の部隊を統一指揮し、事件を解決するのを目的とした「統合指揮団」を編成するべきであると思われる。立て籠もり事件など、長期間で大規模な警官を動員する事案を専門に部隊運用と共に事件の解決の全てを仕切る司令部となるものだ。これで鍛えられた各部隊を上手く使い出来る限りの早期の事件解決に繋がるようになって欲しいと思う。

だが、身近には銃器は存在する。警察庁の統計では1996年には1549丁の銃を押収し、2001年からは1000丁を下回り2005年には489丁押収している。これを見ると「日本国内の銃は少なくなったな」と楽観出来る数字だ。
だが、1995年に銃砲刀剣類等所持等取締法(銃刀法)が改正されて銃の所持が3年の懲役刑から10年に変わり、銃と弾も一緒にあれば加重所持罪で3年の懲役が加算される。もしも発砲事件を起こせば無期懲役もあり得る法となった。これでは銃を所持してる者は更に見えにくい所へ銃を隠す。暴力団が警察との癒着で銃を差し出すと言う事も無くなっているようだ。つまり、隠れた銃が日本には少なくない数である。
問題は愛知の事件や4月の町田市の立て籠もり事件の様に突発的に隠れた銃で犯罪が起きる事だ。アメリカ程では無いにしても2ヶ月連続で銃での犯罪が起きた事は日本の治安に新たな手法を求めているのは確かだ。しかし、それには警察と言う組織が変わる必要がある。犯罪の検挙を得点稼ぎにしている為にヤラセさえあるからだ。2002年に北海道警察が拳銃押収の代わりに薬物・盗難車の密輸には目を逸らす事があった。
組織は何にせよ人が作るもの。意識を変えないと今までにない犯罪には対応出来ない。

 

警察画像
(↑東京都町田市の立て籠もり事件でのSIT)
愛知県長久手町で起きた立て籠もり事件は29時間という長丁場の末に解決となった。
しかし、今回は撃たれた警官を長時間放置し、SAT初の殉職者を出すと言う不手際が目立つ事件である。
犯人が人質を取り、38口径の強力な拳銃を持っているとはいえ、撃たれた警官をなかなか救助出来ない所に素人ながら疑問がある。警官が倒れていた位置が犯人宅の敷地の奥と言う難しい位置であるのがネックであり、「救急車でも近づくと撃つ」と犯人が公言した事(SATでの救出時に犯人がすぐに発砲した)から現場を指揮する者の判断を迷わせたに違いない。
やろうと思えば放水や催涙ガスを犯人宅に向けて放ち、犯人を牽制している間に救出という事も考えられるが犯人宅でも壊してまで実行する事は考えられる所では無い。かと言って、SATや銃器対策部のMP5短機関銃を犯人宅に撃ち込むと言う軍隊みたいな牽制もあり得ない。悲しい事であるが、あの時点で警官を救出するのは現場の統括や県警本部が早くに強攻策を決断しない限りは夜間での救出以外に方法は無かったと言える。
こうなると警察には拳銃事件対策に犯人の居る建物をも損壊できる法があれば良いかもしれない。そうなると問題は人質である。事件の早期解決に人質の生命無視ではいけない。そこに警察独特のジレンマがある。
それは犯人をも人権があると言う事も絡み今回の様な長丁場になったのだ。
狙撃や突入での制圧が可能でも犯人を五体満足で捕まえる。これが普遍に続く警察の犯人逮捕における原則となった。(過去に犯人を狙撃した事を人権団体から訴えられた事も大きく影響しているのだろう)
しかし、ながら今回の事件で現場周辺の住民は帰宅も出来ず店舗は閑古鳥が鳴く目に遭ってしまった。事件とは関わりなく、守られるべき住民の生活を阻害してまで1人の犯人の人権は守られるべきかが大きな問題である。それは先月の東京都町田市での立て籠もり事件でもそうだ。あの事件は人質無しで立て籠もる犯人にSITが犯人の居るアパートの部屋のすぐ側まで接近したにも関わらず深夜まで待っての突入となった。
この2つの事件で守るべき市民を事件から解放するか、あくまでも被害者・犯人双方の人権重視で行くのか警察は岐路に立ったのでは無いのだろうか?単独での立て籠もりにはSATやSITの突入も出来るようにして欲しいものだ。で、なければ俺を含めた納税者は警察を頼もしく思えない。
また、今回の事件では初の殉職者を出したSATの士気に影響が出ないか心配だ。目の前で仲間が殺されたにも関わらず待機を強いられたのだ。犯人確保でSATが群がり押さえ込む所は彼らの憤りを感じた様に思えた。
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