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6月5日に全国の警察本部長を集めてSATとSITの合同訓練を行った。機密扱いで警察の幹部も把握しきれないSATの実力をその目で見た訳だが、問題は警察本部の指揮能力だろう。
先月起こった愛知の事件はSATとSITと言った特殊部隊に大阪府警の刑事部捜査第一課特殊犯捜査係(通称MAAT)に愛知県警と言う混成部隊で事件に対処する事となった。
これはでは指揮系統の混乱は起こるのは間違いない。撃たれた警官の救出も「どの隊でするか?」が問題になったとも大いに考えられる。これが5時間の放置の原因の一つだろう(または、その警官が犯人宅の敷地奥に居ると言う不利な状況もあるだろう)
連合赤軍のメンバーが散弾銃を持って立て籠もった「あさま山荘事件」では長野県警と警視庁の部隊を統括する部署が置かれて多少の軋轢はありながらも警視庁主体の指揮で解決した。
将来的には銃器の犯罪は増えると思われる。こうなると各警察本部が指揮するのでは無く、各地の管区警察局ごとに現場の部隊を統一指揮し、事件を解決するのを目的とした「統合指揮団」を編成するべきであると思われる。立て籠もり事件など、長期間で大規模な警官を動員する事案を専門に部隊運用と共に事件の解決の全てを仕切る司令部となるものだ。これで鍛えられた各部隊を上手く使い出来る限りの早期の事件解決に繋がるようになって欲しいと思う。
だが、身近には銃器は存在する。警察庁の統計では1996年には1549丁の銃を押収し、2001年からは1000丁を下回り2005年には489丁押収している。これを見ると「日本国内の銃は少なくなったな」と楽観出来る数字だ。
だが、1995年に銃砲刀剣類等所持等取締法(銃刀法)が改正されて銃の所持が3年の懲役刑から10年に変わり、銃と弾も一緒にあれば加重所持罪で3年の懲役が加算される。もしも発砲事件を起こせば無期懲役もあり得る法となった。これでは銃を所持してる者は更に見えにくい所へ銃を隠す。暴力団が警察との癒着で銃を差し出すと言う事も無くなっているようだ。つまり、隠れた銃が日本には少なくない数である。
問題は愛知の事件や4月の町田市の立て籠もり事件の様に突発的に隠れた銃で犯罪が起きる事だ。アメリカ程では無いにしても2ヶ月連続で銃での犯罪が起きた事は日本の治安に新たな手法を求めているのは確かだ。しかし、それには警察と言う組織が変わる必要がある。犯罪の検挙を得点稼ぎにしている為にヤラセさえあるからだ。2002年に北海道警察が拳銃押収の代わりに薬物・盗難車の密輸には目を逸らす事があった。
組織は何にせよ人が作るもの。意識を変えないと今までにない犯罪には対応出来ない。