忍者ブログ
架空戦記小説と軍事の記事を中心にしたブログです
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200801170009.html
(CNN)
1月15日に南極海で調査捕鯨を行っていた日本の「第二勇新丸」へ環境保護団体「シー・シェパード」が抗議活動を行った。
その抗議のやり方は「第二勇新丸」へ薬品の入った瓶(酸が入っているとも言われる)を投げ、活動家2人が乗り込むと言うものだ。乗り込みの目的は捕鯨が国際法とオーストラリアの法に照らすと違法であると言う事を書いた書簡を手渡す為であった。
この不法侵入に船員が2人を拘束して船室に収容した。これを「シー・シェパード」は甲板上で縛られた様子を撮影して「2人は乗組員にさらわれて人質になった。日本は2人を利用してわれわれを脅している。テロの一形態だ」とコメントして映像を公開した。
オーストラリア政府は活活動家2人の釈放を日本へ要請した。日本政府は外務省からシー・シェパードへ活動家2人の引き渡しについて打診するものの、返答は無かった。(これを16日放送のテレ朝「報道ステーション」のインタビューでは「こちらは話し合いの準備は出来ているが日本側から何の話も無い」と語る)
オーストラリア国内のニュースでは「活動家2人は意思的に拘束された」とシー・シェパード寄りの報道であった。
17日には活動家2人をオーストラリア税関の巡視船に引き渡した。日本側の話し合いにシー・シェパードが応じない為にオーストラリアが間に立った格好になった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011701000954.html
(東京新聞)
18日には活動家2人はシー・シェパードの船に戻ったが、早々にも活動を再開。今度は「第二勇新丸」の姉妹船である「第三勇新丸」へ薬品入りの瓶10個を投げつけた。
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200801180398.html
(朝日新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080118AT1G1803E18012008.html
(日経ネット)
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/080118/asi0801181130002-n1.htm
(産経ニュース)

「懲りてない」としか言いようが無い結末である。
今回の事件はクジラの保護を謳う思想から起きたものだ。クジラの保護は1946年の国際捕鯨取締条約の締結からである。1960年代の国別捕獲枠や減少鯨類の捕獲禁止措置が制定されると、採算性の問題からアメリカ・イギリス・オーストラリアなどが捕鯨産業から手を引いた。1972年から捕鯨派と反捕鯨派の対立が激化。反捕鯨派が多数派工作を行い、現在の状況へと繋がる。
捕鯨反対の理由としては、捕鯨よりも、観光のホエールウォッチングの方が儲かると言う経済的な面もあるが、主な反対する理由は「知性の高いほ乳類を食するのは野蛮である」とする観念からである。
つまり、「賢くて愛らしいクジラを食べるなんて信じられない!」とする考えだ。
これは欧米では捕鯨の目的が日本のように食糧としでは無く鯨油を灯火用、ヒゲをコルセットや帽子・甲冑の装飾に利用すると言った目的で捕獲されていた。
ある意味において、クジラの食文化が周知しなかった(クジラを食する文化はあった)事が欧米での反捕鯨運動が起きる要因であるのだろう。
しかし、クジラは保護により絶滅の危機から脱している。逆に年間で2.8億トン~5億トンの魚介類を世界中のクジラが食していると言われる。食糧の確保を考えるとクジラを手放しで保護するよりも、ある一定の枠内で食料として捕獲しても良いのでは無いかと思える。
http://www.whaling.jp/qa.html#03_02
(日本捕鯨協会よりクジラの資源量)

だが、反捕鯨の活動は環境保護からイデオロギーの域に来ている。オーストラリアの現政権(ケビン・ラット首相)は環境保護重視を掲げている。これはクジラの保護も含まれていて、「日本の調査捕鯨監視」をも公約としている。
活動家2人が拘束された今回の事件が起きた日にオーストラリア連邦裁判所は日本の捕鯨禁止を命じる判決を下した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080116ddm041040043000c.html
(毎日新聞)
http://nzdaisuki.com/news/news.php?id=3233
(ニュージーランド総合情報)
これは記事にもあるが、法的拘束力は無い。しかも、2005年には日豪関係を案じて法務長官が介入して裁判は中止されていたが政権交代による反捕鯨運動の高まりで判決が出たのだ。シー・シェパードはこの判決を盾にあんな行動に出たのだろう。
また、クジラの捕獲や保護についての国際機関「国際捕鯨委員会」は南極沖をクジラ保護のサンクチュアリ(海洋保護区)として制定している。日本はこれれに反対し、今も「科学的立証無し」として撤廃を主張している。
これらサンクチュアリとオーストラリア国内での反捕鯨の組み合わせが今の事件と日本への非難に繋がっている。
クジラ保護の大義名分で反対意見を聞き入れない。まさに危険なカルトと化しているのが現在の反捕鯨運動と言える。
先にも書いたが、反捕鯨は観念的な理由での主張が強く日本が決められた枠内での調査捕鯨しかしてない事やクジラを食する文化について説明していてもシー・シェパードやオーストラリアの現政権公約を見る限りでは理解されていないのが事実である。
(見方を変えれば、オーストラリアはシー・シェパードの危険な行動を支援するテロ支援国家とも思える)
このまま控えめの主張よりも、捕鯨の有用性を強くアピールすべきだと思う。
これは日本を理解して貰う事もあるが、調査捕鯨に向かう日本人の安全確保の為でもある。
船をぶつけて沈没させた事のある団体相手には海自の護衛艦でも付けて牽制してやれ。とも感情論では思えるが一種のカルト団体への抗議を国際社会に行うには正論を冷静に言い続ける他にない。
何よりも、日本は正当性を主張する宣伝や沿岸国の議員へのロビー活動をするべきだと思える。
ハンドボールの問題でもそうだが、強引な程に大きな主張の方がまかり通るのが世界の流れなのだから・・・。

http://www.australia.or.jp/seifu/pressreleases/index.html?pid=TK01/2008
(豪政府の「日本の調査捕鯨に対する行動」)
http://www.australia.or.jp/seifu/pressreleases/index.html?pid=TK02/2008
(豪政府外務大臣による南極海の拘束の件について)

http://luna.pos.to/whale/jpn_nemo4.html
(反捕鯨の病理学第2回)
http://luna.pos.to/whale/jpn_nemo6.html
(反捕鯨の病理学第4回)

http://www.whaling.jp/qa.html#03_02
(日本捕鯨協会 捕鯨問題Q&A)

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111692916
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1110787236
(Yahoo知恵袋での捕鯨問題に関する質問と回答)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[03/22 ko-kel-per]
[01/14 番犬部隊隊長]
[10/07 葛城マサカズ]
[09/30 葛城マサカズ]
[09/30 葛城マサカズ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
葛城マサカズ
性別:
男性
自己紹介:
某掲示板では呉護衛艦隊または呉陸戦隊とも名乗る戦車と眼鏡っ娘が好きな物書きモドキ
現在25歳の広島県在住
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]