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1月31日。広島県の海田市駐屯地で陸上自衛隊第13旅団と中国5県の警察が参加しての訓練が行われた。
訓練内容は、銃で武装した工作員を鎮圧すべく自衛隊に治安維持出動命令が下る。鎮圧作戦を自衛隊と警察が合同で行うシナリオだ。
訓練では、白バイやパトカーに先導されて82式指揮通信車・トラックを連ねて出動する自衛隊。自衛隊のUH1ヘリからリペリング(ロープでの降下)で地上に降りる警察の銃器対策部(リペリングも出来るのに驚いたな)自衛隊・警察の合同司令部である「共同調整所」の設置の場面がニュース映像では見れた。
(ただし、工作員鎮圧の場面はマスコミに公開されず)
どれも近年各地で行われる自衛隊と警察の合同訓練の様子だ。それがとうとう広島県でも行われた訳である。
今回は中国5県の警察も参加した事で、中国地方での自衛隊・警察の連携への1歩が踏み出されたと言う重要な意味もある今回の訓練は意義が大きい。
そもそも、自衛隊と警察は連携が出来る関係では無かった。1976年のミグ25戦闘機が函館に亡命目的で強行着陸した事件では現場を警察が終始押さえていた。戦闘機と言う軍事に関するものであっても当時の根深い反軍思想もあって自衛隊を半ば排除する形で事態が進んでいた。(函館の自衛隊はもしもソ連軍が襲来すれば法を無視してでも駐屯地から出て戦う覚悟だった)
こうした物別れの関係も、北朝鮮の大規模な特殊部隊や911以降懸念されるテロが脅威になると、自衛隊と警察の連携が模索されて現在行われる各地の訓練に繋がっているのだ。
自衛隊と警察の連携が上手く行くとどう良くなるのか?
ここでシュミレートしてみる。
島根県にある島根原子力発電所を狙って某国の工作員が広島空港から日本に入国した。
その工作員の情報を持つ広島県警の外事課が工作員の入国を察知した。この情報から広島県警は工作員の動向を追うべく捜査を開始する。
捜査でその工作員は他の工作員と合流し、車で島根県目指して移動を開始した。警察は島根県警や鳥取県警・岡山県警・山口県警へ広域の捜査協力を求める。
島根県警の検問で工作員達は強行突破に自動小銃を使う。それから島根県警が工作員達を追うも自動小銃にロケット弾を前に近づけずにいた。
工作員はそこを突いて島根原発へと向かう。
ここに至り政府は自衛隊に治安維持出動命令を出す。中国地方を担当する第13旅団は現場に部隊を出動させる。この時に警察が先導し、通過する道路では警察によって道が確保される。また、工作員が潜伏すると思われる地域では警察によって避難勧告(国民保護法で自治体も行うだろう)を行い、避難民を誘導する。海田市の旅団司令部では警察から工作員の情報を知り戦力と能力を把握していた。
現場の自衛隊・警察の本部である「共同調整所」でも警察の知っている工作員の情報から作戦を練る。自衛隊が工作員を包囲しながらジワジワ追い込む作戦が立てられた。
また、作戦地域以外では警察が各地を工作員が他に居ないか自衛隊と共に広い範囲での監視体勢を作り上げる。
自衛隊の作戦が成功して工作員全員を鎮圧。島根原発への侵入を防いだ。捕らえた工作員は警察に引き渡し状況終わりとなる。
SATもある程度の銃器を持った相手と戦えるが、自動小銃からロケット弾まで装備したよく訓練された工作員相手だと警察でも手に負えないだろう。自衛隊と共同行動取る際には自衛隊が活動しやすい環境を整えるのが警察の役割になると思う。自衛隊の援護でSATや機動隊がメインで行動するのは有り得ないだろうと思われる。