架空戦記小説と軍事の記事を中心にしたブログです
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3月11日。日本ユニセフ協会は「なくそう!子どもポルノキャンペーン」を始めた。
これは児童買春・児童ポルノ処罰法の強化を訴えるものである。
http://www.asahi.com/life/update/0311/TKY200803110429.html
(朝日新聞)
このキャンペーンで、日本ユニセフ協会は以下の項目を要望している。
(日本ユニセフ協会のサイトより、子どもポルノ問題緊急要望書より抜粋)
(なお、日本ユニセフ協会は国連のユニセフとは別の紛らわしい組織である)
この要望書を要約すると、児童ポルノの単純所持禁止。自走ポルノの規制をマンガ・アニメ・ゲームにも適用する事。となる。
はっきり言うと、俺はこの日本ユニセフ協会の要望には反対である。(2)の(エ)には賛成だが、単純所持禁止は冤罪事件が怒る事と捜査権の乱用の恐れがあるからだ。
例えば、何かの事件で警察がある人物をマークした場合、証拠不十分で犯人では無い可能性のある人物でも児童ポルノの単純所持で逮捕が出来るのである。
また、そうで無くてもメールに児童ポルノの画像が送付されていた場合も単純所持に該当する事となってしまう。
現実に起こった問題として。
2003年イギリスのギタリストであるピート・タウンゼントが児童ポルノのサイトに接続したとして逮捕された。不起訴で釈放されたが5年間も性犯罪者リストに登録された。
タウンゼントは幼少期に虐待を受けた経験を持ち、児童ポルノサイトへの接続もその時の事を書く著書の取材をする為であったという。(その後の捜査で疑いは晴れている)
この事件で思うに、ネットの掲示板やメールに児童ポルにサイトへアクセス出来るURLをポルノとは無関係のものと貼っておくと容疑者を多く生む事が懸念される。警察の捜査で「児童ポルノ単純所持の疑い」で任意同行される懸念は無いだろうか?
世界では絵画や単なる家族の写真にまで範囲が及ぶ可能性があり、単純所持を違法とする事を保留としてる。(欧州評議会サイバー条約など)
マンガ・ゲーム・アニメへの規制だが、日本ユニセフ協会の案や規制推進派は実在しない架空の児童でも規制の対象とするべきだとしている。
だが、その規制を行うであろう人達はマンガやアニメ・ゲームを知っている人とは限らないだろう。
その点の不安を「恋愛ジャンキー」などの作者であるマンガ家の葉月京は語る。
「私自身はそうした漫画は吐き気がします。母親になってからは特に嫌です。けれども、私も設定は18歳以上ですが、ベビーフェイスで巨乳の登場人物を描くことが多いです。ある人が見れば、児童ポルノ漫画に見えてしまうかもしれませんね。いったい誰がどのように判断するのでしょう」
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080313/22046
(オーマイニュースより抜粋)
この言葉の通り、見る人の主観で「これは18歳以上に見えるからセーフ」「これは18歳以下に見えるからアウト」と判断されてしまう。それを法律に則って行おうとしているのだ。
アニメやゲームでは、見た目は子供でも100歳を越える年齢と言う設定のキャラクターもある。これも見た目で判断されれば「アウト」になってしまうだろう。
こうした「単純所持」・「マンガ・アニメ・ゲームをも規制」は魔女狩り裁判を彷彿とさせる。
「犯罪撲滅」を大儀に「有罪・無罪」を決める権力が振るわれるのである。これは正義を騙る法の暴力に発展する可能性を秘めている。
オタクを「理解できない存在」として宮崎勤事件をはじめ児童への犯罪を行う「犯罪者予備軍」とも見てる事からも、この法律を施行しようという素地になっている感もある。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2008031400699
(時事ドットコム)
法案は国会に提出されて審議されようとしているのが、今の現状であるが、規制の推進をしている議員の1人である自民党の野田聖子衆議院議員は2007年3月29日の児童ポルノ撲滅のシンポジウムでこう発言している。
「児童ポルノ法や児童虐待防止法は現実の児童を対象にしたもので、アニメなどフィクションなものに対応するには、かなりの法改正が必要となり、時間がかかってしまう。個人的には、改正よりも、新法を立てるべきだと思う。そこで重要なのは、国際的な基準に合わせること。アニメや漫画などを日本の輸出産業に位置づけていくのであれば、世界的な基準に合致したモラルを確立するのは重要なこと」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/03/30/15252.html
(インターネットウォッチより)
アニメやマンガを国際的なものとして見ての発言だろう。国際的だと、アメリカは最高裁判所で「現実違法行為と、偶像創作物における犯罪行為の描写については、一律に取り扱ってはならない」とする判例もあり、世界基準で見れば現実で起こる事と、架空や創作物の事とを区別している。
児童への犯罪撲滅を目的としているが、マンガ・アニメ・ゲームのせいで事件が起きたと言うはっきりとした事例も無い。また、性犯罪の顕著な原因とされる事例も無い。
これは昨年の斧を凶器とした16歳の少女による殺人を「ひぐらしのなく頃に」の影響だと根拠無く報じた某番組と同じ事である。
また、規制推進派は言う「日本はポルノの輸出大国」だと。
イギリスのインターネット監査財団(IWF)は「児童ポルノの産出データー」として、国ごとの児童ポルノのサーバー設置数を1996年から2006年までの10年間の統計として出したものだと。
51%がアメリカに設置されたサーバと推定。
20%がロシアに設置されたサーバと推定。
7%がスペインに設置されたサーバと推定。
5%が日本に設置されたサーバと推定。
1.6%がイギリスに設置されがサーバと推定。
http://www.translativearts.com/log20080208.html
(兼光ダニエル真氏のサイトより)
http://www.iwf.org.uk/media/news.archive-2006.179.htm
(IWFの統計)
これだと日本は二桁も越えていない。
2004年の国際ECPAT(ストップ子供買春の会)の中間報告で
、「1999年に於いて、日本は世界でもっとも多くの児童ポルノを産出する国の一つであった。しかしその後児童ポルノをめぐる法律が改定され、それ以降画像量は劇的に減少している」
と指摘している。
世界基準から見れば日本の児童ポルノは減少しているし、小規模であると判断できる。
本来は実在している児童が性的虐待や児童買春されるのを防止する児童買春・児童ポルノ処罰法の目的である。それの理念が冤罪事件や裁くべきでない所をも断罪する事をも招く事になるのは本来の目的を逸脱してはいないだろうか?
今も大人によって虐げられる子がいるのだ。中には自ら援助交際という売春への間違った道を行く子がいるのだ。
けれどもそれは、現実の世界での事である。
一方的な業界や嗜好の人間を弾圧する前にこれらの子供達を救い、正しく明るい将来へ導く事が先決ではないだろうか?
確かに、マンガ・アニメ・ゲームにはある程度の規制は必要だろう。だが、一方的に裁こうとする日本ユニセフ協会の提案は早計である。
犯罪を起こすのは人間である。その人間の周りにある物が犯罪を起こし、誘発する訳ではない。
その人間の理性が善良な人間より小さかったか、あえて理性を捨てる選択をした思考が犯罪に手を染めるのである。
これは児童買春・児童ポルノ処罰法の強化を訴えるものである。
http://www.asahi.com/life/update/0311/TKY200803110429.html
(朝日新聞)
このキャンペーンで、日本ユニセフ協会は以下の項目を要望している。
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※「子どもポルノ」と「児童ポルノ」 |
(なお、日本ユニセフ協会は国連のユニセフとは別の紛らわしい組織である)
この要望書を要約すると、児童ポルノの単純所持禁止。自走ポルノの規制をマンガ・アニメ・ゲームにも適用する事。となる。
はっきり言うと、俺はこの日本ユニセフ協会の要望には反対である。(2)の(エ)には賛成だが、単純所持禁止は冤罪事件が怒る事と捜査権の乱用の恐れがあるからだ。
例えば、何かの事件で警察がある人物をマークした場合、証拠不十分で犯人では無い可能性のある人物でも児童ポルノの単純所持で逮捕が出来るのである。
また、そうで無くてもメールに児童ポルノの画像が送付されていた場合も単純所持に該当する事となってしまう。
現実に起こった問題として。
2003年イギリスのギタリストであるピート・タウンゼントが児童ポルノのサイトに接続したとして逮捕された。不起訴で釈放されたが5年間も性犯罪者リストに登録された。
タウンゼントは幼少期に虐待を受けた経験を持ち、児童ポルノサイトへの接続もその時の事を書く著書の取材をする為であったという。(その後の捜査で疑いは晴れている)
この事件で思うに、ネットの掲示板やメールに児童ポルにサイトへアクセス出来るURLをポルノとは無関係のものと貼っておくと容疑者を多く生む事が懸念される。警察の捜査で「児童ポルノ単純所持の疑い」で任意同行される懸念は無いだろうか?
世界では絵画や単なる家族の写真にまで範囲が及ぶ可能性があり、単純所持を違法とする事を保留としてる。(欧州評議会サイバー条約など)
マンガ・ゲーム・アニメへの規制だが、日本ユニセフ協会の案や規制推進派は実在しない架空の児童でも規制の対象とするべきだとしている。
だが、その規制を行うであろう人達はマンガやアニメ・ゲームを知っている人とは限らないだろう。
その点の不安を「恋愛ジャンキー」などの作者であるマンガ家の葉月京は語る。
「私自身はそうした漫画は吐き気がします。母親になってからは特に嫌です。けれども、私も設定は18歳以上ですが、ベビーフェイスで巨乳の登場人物を描くことが多いです。ある人が見れば、児童ポルノ漫画に見えてしまうかもしれませんね。いったい誰がどのように判断するのでしょう」
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080313/22046
(オーマイニュースより抜粋)
この言葉の通り、見る人の主観で「これは18歳以上に見えるからセーフ」「これは18歳以下に見えるからアウト」と判断されてしまう。それを法律に則って行おうとしているのだ。
アニメやゲームでは、見た目は子供でも100歳を越える年齢と言う設定のキャラクターもある。これも見た目で判断されれば「アウト」になってしまうだろう。
こうした「単純所持」・「マンガ・アニメ・ゲームをも規制」は魔女狩り裁判を彷彿とさせる。
「犯罪撲滅」を大儀に「有罪・無罪」を決める権力が振るわれるのである。これは正義を騙る法の暴力に発展する可能性を秘めている。
オタクを「理解できない存在」として宮崎勤事件をはじめ児童への犯罪を行う「犯罪者予備軍」とも見てる事からも、この法律を施行しようという素地になっている感もある。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2008031400699
(時事ドットコム)
法案は国会に提出されて審議されようとしているのが、今の現状であるが、規制の推進をしている議員の1人である自民党の野田聖子衆議院議員は2007年3月29日の児童ポルノ撲滅のシンポジウムでこう発言している。
「児童ポルノ法や児童虐待防止法は現実の児童を対象にしたもので、アニメなどフィクションなものに対応するには、かなりの法改正が必要となり、時間がかかってしまう。個人的には、改正よりも、新法を立てるべきだと思う。そこで重要なのは、国際的な基準に合わせること。アニメや漫画などを日本の輸出産業に位置づけていくのであれば、世界的な基準に合致したモラルを確立するのは重要なこと」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/03/30/15252.html
(インターネットウォッチより)
アニメやマンガを国際的なものとして見ての発言だろう。国際的だと、アメリカは最高裁判所で「現実違法行為と、偶像創作物における犯罪行為の描写については、一律に取り扱ってはならない」とする判例もあり、世界基準で見れば現実で起こる事と、架空や創作物の事とを区別している。
児童への犯罪撲滅を目的としているが、マンガ・アニメ・ゲームのせいで事件が起きたと言うはっきりとした事例も無い。また、性犯罪の顕著な原因とされる事例も無い。
これは昨年の斧を凶器とした16歳の少女による殺人を「ひぐらしのなく頃に」の影響だと根拠無く報じた某番組と同じ事である。
また、規制推進派は言う「日本はポルノの輸出大国」だと。
イギリスのインターネット監査財団(IWF)は「児童ポルノの産出データー」として、国ごとの児童ポルノのサーバー設置数を1996年から2006年までの10年間の統計として出したものだと。
51%がアメリカに設置されたサーバと推定。
20%がロシアに設置されたサーバと推定。
7%がスペインに設置されたサーバと推定。
5%が日本に設置されたサーバと推定。
1.6%がイギリスに設置されがサーバと推定。
http://www.translativearts.com/log20080208.html
(兼光ダニエル真氏のサイトより)
http://www.iwf.org.uk/media/news.archive-2006.179.htm
(IWFの統計)
これだと日本は二桁も越えていない。
2004年の国際ECPAT(ストップ子供買春の会)の中間報告で
、「1999年に於いて、日本は世界でもっとも多くの児童ポルノを産出する国の一つであった。しかしその後児童ポルノをめぐる法律が改定され、それ以降画像量は劇的に減少している」
と指摘している。
世界基準から見れば日本の児童ポルノは減少しているし、小規模であると判断できる。
本来は実在している児童が性的虐待や児童買春されるのを防止する児童買春・児童ポルノ処罰法の目的である。それの理念が冤罪事件や裁くべきでない所をも断罪する事をも招く事になるのは本来の目的を逸脱してはいないだろうか?
今も大人によって虐げられる子がいるのだ。中には自ら援助交際という売春への間違った道を行く子がいるのだ。
けれどもそれは、現実の世界での事である。
一方的な業界や嗜好の人間を弾圧する前にこれらの子供達を救い、正しく明るい将来へ導く事が先決ではないだろうか?
確かに、マンガ・アニメ・ゲームにはある程度の規制は必要だろう。だが、一方的に裁こうとする日本ユニセフ協会の提案は早計である。
犯罪を起こすのは人間である。その人間の周りにある物が犯罪を起こし、誘発する訳ではない。
その人間の理性が善良な人間より小さかったか、あえて理性を捨てる選択をした思考が犯罪に手を染めるのである。
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