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架空戦記小説と軍事の記事を中心にしたブログです
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日本がソ連に和平の仲介を依頼しようと動いてた。

対するアメリカでは、どうだったか。

1943年のカイロ宣言では米英中(中華民国)の首脳の間で「日本の無条件降伏を目指す」と方針が決まり。1945年2月のヤルタ協定ではソ連の対日参戦がドイツ降伏後に行われる事を決めた。表の外交では強硬になるアメリカであったが、政府内部ではハードピース派とソフトピース派で日本とどう戦争を終わらせるかで分かれていた。

ハードピース派は日本を無条件降伏させるのが目的で、その為には日本本土上陸作戦をも行うべきだと主張する一派である。ソフトピース派は戦争の早期終結には無条件降伏で無くても良しとする一派である。

ソフトピース派には国務次官兼国務長官代理のジョセフ・グルーがいた。グルーはかつて駐日大使を務めた人物で日本を知る人物であった。

グルーは1945年5月28日にハリー・トルーマン大統領へ「ソ連参戦前に日本へ無条件降伏が天皇制廃止を伴うものでは無い」と伝えるべきだと進言した。また、陸軍長官ヘンリー・チムソンが日本に降伏勧告する宣言をすべきだとする覚書を7月2日に大統領へ提出した。ここでも「天皇制は保証する」と盛り込まれた。

しかし、ジェームス・バーンズ国務長官は日本降伏の勧告となるポツダム宣言に天皇制維持の項目を削除した。これが日本の決断までに混乱を起こす事となる。

しかし、それまでアメリカでは日本との早い戦争終結を目指して戦時情報局のザガリアス海軍大佐はコードネーム「ドルフィン」と呼ばれたルートから日本の和平派の動静を探ろうとした。情報はスイスのダレスなど、日本が和平工作していたルートから得られた。

更にザガリアスは対日放送で「無条件講話は日本の奴隷化を意味せず。天皇の地位もいくらか認める」と言う内容を日本へ向けて放送した。

しかし、このザガリアスの工作はルーズベルト大統領の死去で頓挫した。大統領に新たに就任した副大統領のトルーマンはルーズベルトから終戦をいかにするかの構想を知らされないまま(他の閣僚も)死去した為にザガリアスが独断で対日放送で降伏を呼びかけても日本同様に上下の意思統一が無いからポツダム宣言作成以外の降伏に向けた外交の動きは取れなかった。


6月8日。沖縄戦は首里は既に陥落して日本軍守備隊は沖縄本島南部へ追い詰められていた。そんな戦局で御前会議で改めて本土決戦遂行が決定される。

同じ頃。木戸幸一内大臣は東大教授高木八尺と南原繁の作成した終戦処理試案「時局収拾対策」をまとめていた。内容は早く終戦を決断しなければドイツと同じ運命を辿ると警告し、

「極めて異例にして且つ誠に畏れ多き事にして恐懼(きょうく)の至りなれども、下万民の為め、天皇陛下の後勇断を願い申し上げ、(中略)戦局の収拾に邁進する外なしと信ずる」(木戸幸一日記下巻)

つまり、天皇が終戦を決断させる事で戦争終結を図る構想が近衛文麿に続いて生まれた。

6月9日。陸軍参謀総長梅津美治郎は中国方面の視察から戻り、天皇へ「中国方面の部隊は弱体化し、米軍とまともに戦えない」と実状を報告した。これは、本土にある装備に事欠き人員も中高年や病弱な者をも根こそぎ動員した部隊より、遙かに装備も人員も充実している筈の中国にある部隊が「米軍とまともに戦えない」と陸軍参謀総長が報告したのは「日本陸軍はもう戦えない」と遠回しに言ったのだ。

6月12日には海軍軍備を調査した長谷川清大将が動員の杜撰さや訓練の不足などを天皇に報告。天皇は「そんなことであろうと想像していた」と述べたと言われる。

この2つの報告で天皇は日本が本土決戦は出来ないと確信する。

6月22日、沖縄陥落。天皇は最高戦争指導会議構成員会議(政府・軍の首脳での会議)でこう言った。

「先般の御前会議の決定の如く(6月8日の御前会議)飽く迄戦争を完遂するということも一応尤もであるが一面、時局の収拾についても考慮する必要があろう、これについてどう考えるか」(外務省編纂「終戦史録」)

ついに天皇の口から終戦に向けて動くべきだと言う言葉が出た。

しかし、その最終決定までにあと50日以上の日数を待たねばならない。

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無題
う~む、考えさせられるのだ。何かもっといい方法はなかったのか・・・・。
偉大なる童貞将軍様 2007/08/14(Tue)23:58:36 編集
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