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(中日新聞)
2月3日から広島県と島根県の県境にある恐羅漢山にあるスキー場でスキー客とスキー場の従業員合わせて7人が遭難した。
今日5日の捜索で7人全員が無事発見された。
この捜索では広島県知事の要請で陸上自衛隊第13旅団から災害派遣で人員とヘリが恐羅漢山に向かい5日から捜索に参加した。
ニュース映像では白いスキー板とストックを装備した自衛隊員が捜索に行く模様が映っていた。
またニュース映像を見ると、トラックの幌に付けられた「災害派遣」の幟の下に書かれた部隊名と駐屯地を見ると「広島県海田市駐屯地」と見えた。捜索はその駐屯地にある第46普通科連隊で行われたものと考えられる。
同じくニュース映像ではOH6観測ヘリが恐羅漢山上空を飛行し、遭難者の病院搬送をUH1汎用ヘリで搬送する映像もあり旅団所属の第13飛行隊も参加していた事が分かる。
これだけ見ても大規模な自衛隊の出動だ。だが、防衛省のサイトにあるこの恐羅漢山出動での情報を見ると想像以上に大規模な部隊の動員があったのだ。
http://www.mod.go.jp/j/news/2008/02/05.html
(防衛省・自衛隊)
島根県の偵察隊と対戦車中隊。鳥取県の普通科連隊など第13旅団所属部隊は分かるものの第10戦車大隊と第14普通科連隊が参加している事に驚いた。
どれも愛知県名古屋市に司令部がある第10師団所属の部隊だ。管轄地域で言えば同じ中部方面隊だが、師団・旅団の警備地区だと兵庫県伊丹市に司令部がある第3師団の警備地区が中国地方と隣接している。
何故に遠くからこの2つの部隊が参加していたのか不思議なものである。
1月31日。広島県の海田市駐屯地で陸上自衛隊第13旅団と中国5県の警察が参加しての訓練が行われた。
訓練内容は、銃で武装した工作員を鎮圧すべく自衛隊に治安維持出動命令が下る。鎮圧作戦を自衛隊と警察が合同で行うシナリオだ。
訓練では、白バイやパトカーに先導されて82式指揮通信車・トラックを連ねて出動する自衛隊。自衛隊のUH1ヘリからリペリング(ロープでの降下)で地上に降りる警察の銃器対策部(リペリングも出来るのに驚いたな)自衛隊・警察の合同司令部である「共同調整所」の設置の場面がニュース映像では見れた。
(ただし、工作員鎮圧の場面はマスコミに公開されず)
どれも近年各地で行われる自衛隊と警察の合同訓練の様子だ。それがとうとう広島県でも行われた訳である。
今回は中国5県の警察も参加した事で、中国地方での自衛隊・警察の連携への1歩が踏み出されたと言う重要な意味もある今回の訓練は意義が大きい。
そもそも、自衛隊と警察は連携が出来る関係では無かった。1976年のミグ25戦闘機が函館に亡命目的で強行着陸した事件では現場を警察が終始押さえていた。戦闘機と言う軍事に関するものであっても当時の根深い反軍思想もあって自衛隊を半ば排除する形で事態が進んでいた。(函館の自衛隊はもしもソ連軍が襲来すれば法を無視してでも駐屯地から出て戦う覚悟だった)
こうした物別れの関係も、北朝鮮の大規模な特殊部隊や911以降懸念されるテロが脅威になると、自衛隊と警察の連携が模索されて現在行われる各地の訓練に繋がっているのだ。
自衛隊と警察の連携が上手く行くとどう良くなるのか?
ここでシュミレートしてみる。
島根県にある島根原子力発電所を狙って某国の工作員が広島空港から日本に入国した。
その工作員の情報を持つ広島県警の外事課が工作員の入国を察知した。この情報から広島県警は工作員の動向を追うべく捜査を開始する。
捜査でその工作員は他の工作員と合流し、車で島根県目指して移動を開始した。警察は島根県警や鳥取県警・岡山県警・山口県警へ広域の捜査協力を求める。
島根県警の検問で工作員達は強行突破に自動小銃を使う。それから島根県警が工作員達を追うも自動小銃にロケット弾を前に近づけずにいた。
工作員はそこを突いて島根原発へと向かう。
ここに至り政府は自衛隊に治安維持出動命令を出す。中国地方を担当する第13旅団は現場に部隊を出動させる。この時に警察が先導し、通過する道路では警察によって道が確保される。また、工作員が潜伏すると思われる地域では警察によって避難勧告(国民保護法で自治体も行うだろう)を行い、避難民を誘導する。海田市の旅団司令部では警察から工作員の情報を知り戦力と能力を把握していた。
現場の自衛隊・警察の本部である「共同調整所」でも警察の知っている工作員の情報から作戦を練る。自衛隊が工作員を包囲しながらジワジワ追い込む作戦が立てられた。
また、作戦地域以外では警察が各地を工作員が他に居ないか自衛隊と共に広い範囲での監視体勢を作り上げる。
自衛隊の作戦が成功して工作員全員を鎮圧。島根原発への侵入を防いだ。捕らえた工作員は警察に引き渡し状況終わりとなる。
SATもある程度の銃器を持った相手と戦えるが、自動小銃からロケット弾まで装備したよく訓練された工作員相手だと警察でも手に負えないだろう。自衛隊と共同行動取る際には自衛隊が活動しやすい環境を整えるのが警察の役割になると思う。自衛隊の援護でSATや機動隊がメインで行動するのは有り得ないだろうと思われる。
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/today/news/20080104k0000m010085000c.html
昨年12月14日に戦闘指揮所(CIC)から出火した護衛艦「しらね」が除籍される事が決まった。
理由としては200億円の修理費用よりも2年かかる修理の時間が大きな理由だ。
「しらね」は1980年に竣工して現在27年以上も現役で居た古い艦である。その「しらね」に残された耐用年数は5年。2年間修理しても3年しか活動できない。これでは200億円をかけてまで修理する合理性は無いと判断したからだろう。
個人的には2基の砲塔を持つ姿が格好良くて好きなので5年早い除籍は悲しいものである。
「しらね」は「はるな」級と似た艦の姿だが、新型艦を作るよりも「はるな」級の改良発展型として様々な新装備と技術が詰め込まれた。
「しらね」級は海自護衛艦として初のコンピューター処理の可能なシステム艦であり、今の「リンク11」や「リンク16」による戦術データリンクの祖であった。また、2番艦「くらま」からCIWS20ミリ機関砲(ファランクス)を護衛艦で初めて搭載した。またシースパローを最初から搭載する設計も初めてだった。他にも新型のレーダーやソナーの搭載がなされた。
「しらね」級は今の護衛艦のシステムを作り上げた大きな意義のある艦であったのだ。
・防衛庁「省」へ昇格(1月)
・陸自。中央即応集団創設(3月)
・空自PAC3配備(同月)
・海自の新護衛艦「ひゅうが」進水(8月)
・海自インド洋給油活動終了(11月)
・海自SM3の発射実験成功(12月)
・海自情報漏洩問題
・防衛省大臣と事務次官での問題
防衛省・自衛隊関連だと防衛庁の「省」昇格という歴史的な幕開けで始まったにもかかわらず、海自のイージス艦の情報が漏洩した事件の捜査で春を迎えた。それから初代防衛大臣の久間章生による原爆発言での騒動による辞任。後任の小池百合子は守屋武昌事務次官を更迭させる問題で辞任。(この後で守屋の収賄容疑が露見される)安倍改造内閣では高村正彦が後任になるが、1ヶ月足らずで福田内閣発足により今の石破茂になった。防衛省は誕生から1年も満たない間に大臣が交替を繰り返すと言う異常な事態となった。(農林水産省の大臣は今年5人変わっている。みどり資源機構の問題があったりしたせいだが、これも異常である)
上と一部の隊員による問題を抱えながらも、海自初の空母に、空海のMDの実体化。陸自の有事での即応部隊創設と、自衛隊自体では新しい体系に向けて着々と進んでいる。
また、今年は6年も続けていたインド洋での給油活動が期限切れで終了となった。最後の派遣部隊司令となった尾島義貴一等海佐は隊員に「祖国日本に向けて針路を取る」の言葉で撤収命令を下した。今年一番心に響く言葉だと思います。帰る場所があるのだという認識を新たに出来るものだった。
・イラン。領海侵犯をしたイギリス兵を拘束(3月)
・イスラエル。シリア爆撃(9月)
・トルコ。イラク北部のクルド人武装組織を越境攻撃(12月)
海外では中東が緊張と、戦火に満ちていた。イラクとパレスチナ自治区で毎日繰り広げられる凄惨な争いと共に以上の3つを取り上げたい。イギリス兵拘束事件はイギリス兵がゴムボートでイラン領海に入った為にイラン当局に捕まった事件である。何のためにイギリス軍がイラン領海に入るような事をしたかは不明だが、解放されるまではCNNニュースでは以前にも増してアメリカによるイラン攻撃の可能性を伝えていた。もしかするとアメリカにとっては同盟国救援を名目にしたイラン攻撃のチャンスだったのかもしれない。
次のイスラエルによるシリア爆撃。これは謎が多い。
9月6日。イスラエル空軍機(F15とF16だという情報がある)がシリアを爆撃した。ニューヨークタイムズ(電子版10月13日付は「建設中の原子炉」だと報じている。この事件はシリアはイスラエルが領空侵犯して爆発物を投下したと非難(ダマスカス発ロイター通信)しているものの、当のイスラエルが何も発表をしない為に真相が不明となっている。大方の噂では北朝鮮とシリアが共同で核開発を行っていて、イスラエルがそれを阻止すべく施設を破壊したのだろうと言われている。(朝鮮中央放送は北朝鮮外務省報道官の言葉として否定している)今年はイランの核開発に関してもアメリカとイランが対立し、また宗教も絡んで対立するイスラエルがイランの弾道ミサイルに核兵器が搭載されるのを恐れてイランを攻撃すると一部から言われていたが、これは逆の方向で当たったと言える。イスラエルは四方を反キリスト・ユダヤの国々に囲まれている。過去4度の中東戦争とイラク原子炉爆撃事件(1981年)を見てもイスラエルは自国の生存の為に軍事力行使は躊躇しないと、また見せつけられたのだ。これは今も続くパレスチナ自治区での軍事行動に、昨年のレバノンへの軍事行動を見ても明らかである。
この生存の為には現在進行中のトルコによるイラク北部に展開するクルド人武装組織(クルド労働者党PPK)への越境攻撃にも見て取れる。PPKはクルド人による独立国家樹立の為に戦う組織だが、その戦いはテロによるもので、2004年までにPPKによるテロでトルコでは3万人の被害者が出たと言われる。
国の安全を確保すべくトルコは今回の攻撃を実行したのだ。もっとも、イラク戦争の時はトルコから進撃しようとした米第4歩兵師団の国内通過を認めず。代わりにトルコ軍の参戦を行おうとしたが、アメリカに止められている。こう見るとフセイン亡き後ではトルコにとってイラクは危険を呼び込む地域と化したと言えるのかもしれない。(フセインのイラクでは、クルド人の弾圧が行われていた。これである程度の抑止力が期待できたとトルコは見ていただろう。だが、今は新生イラクの政府に影響力を持つ民族となりトルコを不安にさせたのだろう)
こうして見ると、今年の中東も激動の中にあったと言える。
石油・民族・テロリスト。この3つが消えない限りは中東の戦火は絶えぬだろう・・・。
暗い話題になったので、明るい今年の話題で締め括りたい。
声優の浅川悠さん・森久保祥太郎さん夫婦に千葉紗子さん。結婚おめでとう~。末永くお幸せに~
(時事通信)
今日、ハワイ沖で海自の護衛艦「こんごう」がSM3艦対空ミサイルをはじめて使い標的のミサイルを撃墜した。
これで日本のミサイル防衛(MD)はFPS-5レーダーが各地に配備されてない事を除くとソフトで一通り揃った事になる。
(空自はPAC-3迎撃ミサイルを今年3月末から入間基地に配備)
さて、新たなイージス艦「こんごう」級の武器となったSM3ミサイル。これは艦対空ミサイルで、航空機に対応したSM2は既に護衛艦の各艦に搭載されている。SM3は弾道ミサイル迎撃に特化したタイプで、アメリカが開発したものだ。
SM3は2002年1月から2003年4月まで4回の迎撃実験に成功し、2004年11月には実戦配備型のSM3ブロックⅠがアメリカ海軍に引き渡された。翌年2月からはテストが行われて成功を収めている。
現在、横須賀に停泊する4隻のアーレイバーク級駆逐艦と1隻のタイコンデロガ級巡洋艦がSM3を搭載したミサイル防衛対応艦船である。
海自は4隻の「こんごう」級全てをSM3が運用できるミサイル防衛対応艦船にすべくこれから改修が2010年までに行われる予定だ。ちなみに新たな海自のイージス艦である「あたご」級は最初からミサイル防衛を意識して建造されたが、今の所SM3を搭載する予定は無い。だが将来のミサイルの脅威が高まり、「こんごう」級の老朽化した時を考えると「あたご」がSM3と対応したシステムを装備する日は確実にありそうだ。
また、「あたご」がSM3を搭載して無くてもレーダーの追尾で「こんごう」級の迎撃を助けるLRS&T(長距離追尾および探知)任務を引き受ける事もありそうだ。
つまり、予想される現在でのミサイル防衛の作戦だと、「こんごう」級が探知と迎撃の準備。「あたご」級が探知を続けて「こんごう」級へデータを送り、それら複数のデータによって確実な目標のミサイルの位置と速度に未来位置を把握して「こんごう」級はSM3を発射する。
そんな展開が予想される。
「こんごう」級は戦術的な護衛隊群の中核戦力から国家防衛の戦略的な兵器に変わったと言える。