架空戦記小説と軍事の記事を中心にしたブログです
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http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00146550.html
(FNNニュース)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081225-OYT1T00666.htm?from=main1
(読売新聞)
麻生総理は25日の記者会見で海上自衛隊を海賊被害が増大しているソマリア沖に派遣する方針を表明した。
麻生総理は「取り急いで」としてソマリア派遣をインド洋派遣のような法を出来るのを待たず「海上警備行動」の発令で護衛艦を派遣したいと語った。
海上警備行動は海上保安庁では対処できない場合に海上自衛隊が対処に当たるために出動する為のものでだ。過去では平成11年の能登半島沖不審船事件と平成16年の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件で発令されている。
この海上警備行動は自衛隊法第82条で海上での生命や財産が危険に晒された場合の出動と書かれ。自衛隊法第93条(海上における警備行動の権限)で海自隊員に警察官職務執行法と海上保安官の職務が行使できる根拠が書かれている。
海上警備行動の発令はソマリア沖の海賊被害に対して「生命財産の危険」があるからこれを根拠に出動が可能である。実際に日本の船舶も被害に遭っているからだ。
とはいえ、能登半島沖不審船事件では海上保安庁が追跡していたから目標が分かっていたから良かったが、ソマリア沖では漁船やボートなどに乗り込んだ海賊が相手だ。これだと不審船事件と変わらないように思えるが、どの船に海賊が乗っているかは容易に分かるものでは無い。
もしも護衛艦や日本籍船にボートや漁船が近づいてきた場合はどうするのか。これを海賊船と見なして威嚇または船体への射撃を行うのか。それまで日本近海で起きた不審船事件では逃げる船を追う事が想定できたが今回はどの国籍や船種でも襲う海賊が相手である。
けれども、第93条では自衛官の職務遂行のためにある一定要件を満たした船を停船させるために武器使用が可能であるとしている。これを準用できる根拠として警察官職務執行法第7条(武器の使用)や海上保安庁法第20条2項がある。どれも犯人の逮捕や自己や他人の防護で適当であると判断とした場合や命令に従わない船舶を停船させるために武器使用が出来るとしている。
法解釈では海上警備行動でもソマリアの海賊には対応できると思われる。
しかし、その場面は護衛艦や日本籍船が襲われた場合であり他国の船舶が襲われている場面では適用できるのか疑問だ。この場合は現場指揮官が警察官職務執行法に則り「防護する対象」して事に当たるのであろうか。
海上警備行動で自衛隊が行動できるかと言うのをまとめると。
(1)自衛隊法第93条に準用される警察官職執行法第7条と海上保安庁法第20条2項を適用し法解釈を広くすれば可能
(2)武器の使用も自衛隊法第95条「武器等防護のための武器使用」を防護する武器を護衛艦とすれば海賊が護衛艦に接近した場合も適用可能
(1)の法解釈を広くは民間船舶を守る為に危険だと現場が判断すれば警察官職務執行法第7条にある「自己若しくは他人の防護」で助けに行けるようにするためだ。どれが海賊か判別できないであろうソマリア沖では突発的に事態が発生するであろうからだ。
(2)の自衛隊法第95条を持ち出したのは護衛艦が襲撃されそうになった場面での対処だ。接近しているだけでは警察官職執行法の「自己防衛」には当たり難いだろうと考えられる。海上保安庁法第20条2項の不審な船を停船させる適当な手段としての対処も適用できると思うが、曖昧な状況では対象を明確にするには自衛隊法第95条の「防護する武器」として護衛艦を対象にしてこれを守る為そすれば武器が使用できる。
また、第95条では刑法第37条「緊急避難」を適用した武器使用は出来るから民間船舶を守る対象に拡大解釈も可能だろう。
しかし、問題はこれは日本の国内法であり、緊急避難の要件で他国船舶をも自衛隊が守れるか多いな疑問がある。日本籍以外の船だから何も出来ないとなるのは国際非難を浴びる事になるし海外で日本人が危険に晒された時に協力を得られなくなる可能性もあり得るからだ。
また武器使用もあれこれと可能な法があると書いたが、これも警察や海保の法に則るもので自動小銃などで重武装した海賊相手では距離が開いた時から威嚇なり攻撃して撃退出来る方が実際には良いが現行法ではある程度接近して来てから相手の意図確認となってしまう。
つまり、海賊が露骨に武器を見せていてもこちらに向かわないのであればほぼ何も出来ないのだ。
また、武器使用基準にしてもどうやら海賊側と同程度の武器でないと使えないらしい。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008122600787
(時事ドットコム)
これが本当なら不審船事件で設置されたという甲板上の機関銃と艦の警備に置かれた拳銃や自動小銃ぐらいしか使えない。主砲や20ミリ機関砲が使えないと強力な抑止力には成り得ない。
無政府状態のソマリアではこちらが強いと思わせなければ海賊には対処できない。そうでないから国連の援助食糧にウクライナの戦車が強奪されてしまうのだ。
ソマリア沖の派遣での問題点は
(1)他国船舶を防護の対象とするか
(2)武器使用
この2点が大きな問題であろう。他にはEUやアメリカに最近では中国も艦艇を派遣しているからそれらの艦艇とどう連携を出来るか(情報の共有が可能か)も問題だ。
また、長距離かつインド洋以上の過酷な任務に当たる海自隊員のメンタル面での対処をどうするかがますます大きな問題となるであろう。イラクに派遣されて帰国した自衛官は緊張状態に長く身を置いた事で精神的な病に陥ってしまった。それによって自殺にまで及ぶケースもあった。
米軍の場合は帰還した兵士を一定期間は職務から外した施設で過ごさせてなるべく戦地と一般社会のギャップを無くさせてから家族や一般社会に帰るようにしている。(それでもPTSDを残した者が少なくないが)
これ程のやり方をそろそろ防衛省や政府は考えるべきだろう。任務が多様化して海外派遣が一般任務となった今では尚更である。命を張る者に最大限のケアを真面目に考えて貰いたい。それはより有効に税金を使って欲しいと願う一人の納税者である自分の思いでもあります。
貿易立国である日本。それが貿易の航路でもあるソマリア沖を通る船を守る為に行動するのは当然だと考える。しかし、今回のソマリアの海賊は長い内戦で貧困が極まった結果生まれたのだ。根本の海賊対策はソマリアが国内が安定する事にあるのだが、これは見通しが暗く長い海賊との戦いがソマリア沖で展開するのかとも思えてならない。
(FNNニュース)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081225-OYT1T00666.htm?from=main1
(読売新聞)
麻生総理は25日の記者会見で海上自衛隊を海賊被害が増大しているソマリア沖に派遣する方針を表明した。
麻生総理は「取り急いで」としてソマリア派遣をインド洋派遣のような法を出来るのを待たず「海上警備行動」の発令で護衛艦を派遣したいと語った。
海上警備行動は海上保安庁では対処できない場合に海上自衛隊が対処に当たるために出動する為のものでだ。過去では平成11年の能登半島沖不審船事件と平成16年の漢級原子力潜水艦領海侵犯事件で発令されている。
この海上警備行動は自衛隊法第82条で海上での生命や財産が危険に晒された場合の出動と書かれ。自衛隊法第93条(海上における警備行動の権限)で海自隊員に警察官職務執行法と海上保安官の職務が行使できる根拠が書かれている。
海上警備行動の発令はソマリア沖の海賊被害に対して「生命財産の危険」があるからこれを根拠に出動が可能である。実際に日本の船舶も被害に遭っているからだ。
とはいえ、能登半島沖不審船事件では海上保安庁が追跡していたから目標が分かっていたから良かったが、ソマリア沖では漁船やボートなどに乗り込んだ海賊が相手だ。これだと不審船事件と変わらないように思えるが、どの船に海賊が乗っているかは容易に分かるものでは無い。
もしも護衛艦や日本籍船にボートや漁船が近づいてきた場合はどうするのか。これを海賊船と見なして威嚇または船体への射撃を行うのか。それまで日本近海で起きた不審船事件では逃げる船を追う事が想定できたが今回はどの国籍や船種でも襲う海賊が相手である。
けれども、第93条では自衛官の職務遂行のためにある一定要件を満たした船を停船させるために武器使用が可能であるとしている。これを準用できる根拠として警察官職務執行法第7条(武器の使用)や海上保安庁法第20条2項がある。どれも犯人の逮捕や自己や他人の防護で適当であると判断とした場合や命令に従わない船舶を停船させるために武器使用が出来るとしている。
法解釈では海上警備行動でもソマリアの海賊には対応できると思われる。
しかし、その場面は護衛艦や日本籍船が襲われた場合であり他国の船舶が襲われている場面では適用できるのか疑問だ。この場合は現場指揮官が警察官職務執行法に則り「防護する対象」して事に当たるのであろうか。
海上警備行動で自衛隊が行動できるかと言うのをまとめると。
(1)自衛隊法第93条に準用される警察官職執行法第7条と海上保安庁法第20条2項を適用し法解釈を広くすれば可能
(2)武器の使用も自衛隊法第95条「武器等防護のための武器使用」を防護する武器を護衛艦とすれば海賊が護衛艦に接近した場合も適用可能
(1)の法解釈を広くは民間船舶を守る為に危険だと現場が判断すれば警察官職務執行法第7条にある「自己若しくは他人の防護」で助けに行けるようにするためだ。どれが海賊か判別できないであろうソマリア沖では突発的に事態が発生するであろうからだ。
(2)の自衛隊法第95条を持ち出したのは護衛艦が襲撃されそうになった場面での対処だ。接近しているだけでは警察官職執行法の「自己防衛」には当たり難いだろうと考えられる。海上保安庁法第20条2項の不審な船を停船させる適当な手段としての対処も適用できると思うが、曖昧な状況では対象を明確にするには自衛隊法第95条の「防護する武器」として護衛艦を対象にしてこれを守る為そすれば武器が使用できる。
また、第95条では刑法第37条「緊急避難」を適用した武器使用は出来るから民間船舶を守る対象に拡大解釈も可能だろう。
しかし、問題はこれは日本の国内法であり、緊急避難の要件で他国船舶をも自衛隊が守れるか多いな疑問がある。日本籍以外の船だから何も出来ないとなるのは国際非難を浴びる事になるし海外で日本人が危険に晒された時に協力を得られなくなる可能性もあり得るからだ。
また武器使用もあれこれと可能な法があると書いたが、これも警察や海保の法に則るもので自動小銃などで重武装した海賊相手では距離が開いた時から威嚇なり攻撃して撃退出来る方が実際には良いが現行法ではある程度接近して来てから相手の意図確認となってしまう。
つまり、海賊が露骨に武器を見せていてもこちらに向かわないのであればほぼ何も出来ないのだ。
また、武器使用基準にしてもどうやら海賊側と同程度の武器でないと使えないらしい。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008122600787
(時事ドットコム)
これが本当なら不審船事件で設置されたという甲板上の機関銃と艦の警備に置かれた拳銃や自動小銃ぐらいしか使えない。主砲や20ミリ機関砲が使えないと強力な抑止力には成り得ない。
無政府状態のソマリアではこちらが強いと思わせなければ海賊には対処できない。そうでないから国連の援助食糧にウクライナの戦車が強奪されてしまうのだ。
ソマリア沖の派遣での問題点は
(1)他国船舶を防護の対象とするか
(2)武器使用
この2点が大きな問題であろう。他にはEUやアメリカに最近では中国も艦艇を派遣しているからそれらの艦艇とどう連携を出来るか(情報の共有が可能か)も問題だ。
また、長距離かつインド洋以上の過酷な任務に当たる海自隊員のメンタル面での対処をどうするかがますます大きな問題となるであろう。イラクに派遣されて帰国した自衛官は緊張状態に長く身を置いた事で精神的な病に陥ってしまった。それによって自殺にまで及ぶケースもあった。
米軍の場合は帰還した兵士を一定期間は職務から外した施設で過ごさせてなるべく戦地と一般社会のギャップを無くさせてから家族や一般社会に帰るようにしている。(それでもPTSDを残した者が少なくないが)
これ程のやり方をそろそろ防衛省や政府は考えるべきだろう。任務が多様化して海外派遣が一般任務となった今では尚更である。命を張る者に最大限のケアを真面目に考えて貰いたい。それはより有効に税金を使って欲しいと願う一人の納税者である自分の思いでもあります。
貿易立国である日本。それが貿易の航路でもあるソマリア沖を通る船を守る為に行動するのは当然だと考える。しかし、今回のソマリアの海賊は長い内戦で貧困が極まった結果生まれたのだ。根本の海賊対策はソマリアが国内が安定する事にあるのだが、これは見通しが暗く長い海賊との戦いがソマリア沖で展開するのかとも思えてならない。
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