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野瀬と高町は機上の人となっていた。
沖縄の海上保安庁が意識不明の言葉を発見し那覇市内の病院へ搬送したと言う情報が入ったからだ。
沖縄に着いたら言葉が退院可能ならば任意同行で原巳浜署へ連行する事にしていた。また、退院が出来なくともある程度の事情聴取をするつもりでいた。
「森野巡査長。初めて容疑者と会う訳だが」
野瀬はもう一人の同行者に話しかけた。新人の女性刑事である森野巡査長だ。言葉と接触するに辺り、男だけではと付けた女性刑事である。また、森野にベテランの野瀬が現場を教えると言う事も含まれていた。
「大丈夫です。覚悟も出来てますし油断もしてません」
少し緊張したような固い答えが返ってきた。
「まあ、少し力を縫いとけ。那覇に着いてからが仕事だ」
「はっ、了解です」
野瀬が優しく言ったが森野は敬礼でもしそうな固い返事であった。
那覇空港に到着した野瀬達は那覇署が用意した迎えの車に乗り那覇署へ向かう。
言葉はまだ那覇市内の病院に居て意識不明である事。ヨットは重要参考品として海保の基地で預かっている事など那覇署の刑事から報告を受けた。
そして最後に言葉がバラバラになっていた男の遺体をバッグに積め、頭を抱えていたと聞いた。
「みなさん惨殺された遺体とか、酷い物は見たことは?」
場所は変わり沖縄大学医学部の付属病院。ここで伊藤誠の遺体が司法解剖さていた。
司法解剖を担当した医学部の教授は野瀬達にまず注意を促した。
野瀬はちらりと森野を一瞥した。まだ彼女は遺体と対面した事が無い。ましてや那覇署で聞いた状況ではかなり凄惨なものである。
(けれども、警察官の仕事をしてたらいつかは見なきゃならん事だし…)
心配しつつも森野も誠の遺体を見せる事にした。
「これも経験しなくてはならない事ですから」
森野は野瀬と自分の両方に向けて言っていた。
「もう一度言いますよ。この遺体は酷いものですよ」
教授は白いシーツの端を掴みながら再度注意した。そのシーツの下に台に乗せられた伊藤誠の遺体があるのだ。
「では…」
野瀬・高町・森野の顔を見てから教授はシーツを捲った。
「うっ…」
森野はすぐさま右手を口に当てて誠の死体から目を逸らした。
「これを使って」
教授は紙袋を森野に渡した。森野は隅で嘔吐した。
「こりゃ女性、いや、新人にはキツイですね」
高町が誠の遺体を見て言った。
目の前には人の形に置かれたバラバラの部位が台の上に置かれていた。
「それにしても、若い子がよくやったもんだと思いますよ」
教授は冷めた口調で言った。幾つもの遺体と対面したせいだろうか。
「腹部から胸部にかけて刃渡り5センチの文化包丁で複数刺した跡がありました。どうやらこれでショック死したのが死因でしょう」
教授は続けて説明した。
この説明に野瀬は伊藤誠殺しが西園寺世界によるものと確信した。榊野学園屋上に落ちていた血の付いた包丁。それで誠を殺害した世界は言葉をもその包丁で殺めようとしたのだろう。
包丁の血は野瀬の目の前に骸となった誠のもので、世界はその包丁に言葉の血を染みこませようとしたが敵わなかった。
聞いた話では桂は居合いの達人だという。少しでも戦うやり方をしっていた桂に西園寺は返り討ちにあったのだろう。
「お、こんな時に」
突然野瀬の携帯電話から軽快な着信メロディが流れる。野瀬は慌てて上着のポケットから携帯電話を取り出した。
電話の向こうからは焦った声で那覇署の刑事の声が聞こえた。
「大変です野瀬さん。桂が病室から逃げたそうです。もしやと思ってそちらに電話してみたんですが」
「なんだって!それだと病院から逃げたのか?」
「それはまだ分かりません。こちらの警官と病院の職員が懸命に探してますが…」
「我々もそちらに向かう」と言って電話を切った野瀬は高町と森野に言葉が搬送された病院に行くことを言った。
「どこまでも意表を突くお嬢さんだ」
高町は呆れたように言った。
那覇市内にある県立病院。ここでは手の空いた看護師と駆けつけた警官とで病院内を捜索中であった。病院に到着した野瀬達は近くにいた巡査長に状況を聞いた。
巡査長は病院を中心に那覇署の警官が市内を捜索中であることに病院内も巡査長を含む警官3人が病院の職員と共に捜索中だと教えてくれた。
「桂はこの街はよく知らない筈だ。それに体力もまだ回復していないだろうからそう遠くには行かないと思うが」
野瀬は言葉がどう動いているか過去の経験から推測する。
逃げるにしても所持金が無い言葉が沖縄から出る事は出来ないだろう。もしかすると愛しい誠の亡骸を取り戻すために探し歩いてるのかもしれない。だが、言葉が沖縄大学に誠の遺体がある事を知らない。探すにしても当ても無く那覇市内をさ迷っているだろう。
「患者服で歩いているからすぐに見つかりそうですよね」
森野がそう訝しげに言った。地味な患者服でも街で歩けば風変わりで目立つからすぐに見つかるだろうと思っていた。
「見つからないとなると、変な男に捕まったか…」
高町が予想される危険を予測した。患者服で歩く妙な女でも中には平気でナンパしたり邪な目的で連れ去る事もあり得る。
野瀬達が言葉の動きを推理している時に1人の警官が報告に来た。
「那覇港の近くで不審な女が歩いているとの目撃情報が3件ありました」
野瀬はこれが言葉だと思った。ハズレの情報であってもそれを確認して情報を絞るのが刑事の仕事でもある。
「よし、那覇港に行こう」
野瀬が決断し、病院の前で客待ちをしていたタクシーに乗り込んで那覇港へと向かう。
「那覇港の周辺にはヨットハーバーが幾つかあるみたいですね」
森野が窓から見える看板を見て言った。那覇港の近くで8件ものヨットハーバーの店がある。
「桂はまだヨットに伊藤の遺体があると思っているのだろうな…」
野瀬は言葉が哀れに思えた。言葉なりに考えて行動しているのだろうが報われないであろうからだ。
単純に桂家のヨットを探すなら那覇港に向かうのは間違いは無い。あのヨットは那覇港内にある海保の基地にあるからだ。だが、海保が言葉にヨットを明け渡す事は無いだろう。仮に言葉の執念でヨットに辿り着いても本当の目的である誠の亡骸は無い。言葉の行動は絶望しか結末が無い。
「あっ!居ました!桂です!」
高町が車内で叫ぶ。黒髪のロングヘアに白い患者服を着た桂言葉が野瀬達が乗ったタクシーの横を通り過ぎたのだ。心得たタクシーの運転手は「ここで止まりますか?」と聞き野瀬は「お願いします。それと少し待っていてください」と答えた。
タクシーから降りた野瀬達は走った。何故なら言葉は走っていたからだ。言葉の背後には警官2人が言葉を追っていた。野瀬達はその警官と共に言葉を追いかける事となった。
(まったく、衰弱していたのに無理をする)
野瀬は必死に逃げる言葉の後ろ姿を見て呆れるに近い感心をした。
だが、いくら執念があってもこれまで意識不明で衰弱していた言葉の身体は限界を迎えた。段々と言葉の足は遅くなり距離が縮む。けれども身体を引きずるように言葉は前へと進もうとする。
「桂さん。桂言葉さん」
野瀬は言葉のすぐ後ろまで近づいて呼んだ。これに言葉の動きが止まった。
「桂言葉さんだね。病院へ戻ろう」
優しく野瀬が言う。すると言葉はゆっくりと野瀬達の方に向く。
「あの、教えてくれませんか?」
言葉の質問は何か野瀬には分かった。
「伊藤誠君の事だね」
「そうです。誠君はまだヨットの中ですか?だとしたら迎えに行かないと」
「……残念だが伊藤誠はこの街には居ないんだ」
「どこですか?教えてください」
言葉は光を失い曇った瞳で野瀬を見つめながら落ち着いた声で訊いた。
野瀬は思い切って真実を言う事にした。
「伊藤誠は死んだんだよ」
緊張が一気に張り詰める。この一言で言葉が逆上するかもしれない。
「嘘ですよそれは」
「え…」
言葉は落ち着いた態度を崩さすに言った。逆に野瀬達が驚き、言葉の返事の内容に戸惑う。
「誠君を隠してそうやって私を困らせようとするんですね」
「いや、そうでは無いんだ」
「早く教えて下さい。誠君がどこに居るのか」
野瀬が手詰まりになったと見ると高町が動いた。
「ごめんね桂さん。このおじさん冗談が好きだから。伊藤君は病院に居て治療中なんだ」
「それは本当なんですか?」
高町の演技に言葉の曇った瞳に僅かに光が戻ったように見えた。
「あ~本当だよ。けど、重症だからすぐに会えないんだ。すまないけど我慢できるかい?」
「ええ。私病院へ戻ります」
高町のまるで子供をあやすような言い方に言葉は納得した。森野が言葉の側に行き、待たせてあるタクシーへと連れて行く。警官は無線で言葉を確保した事を伝えた。
(これで一区切りだな)
野瀬は森野に付き添われて歩く言葉を見て僅かに安堵した。これでようやく事件の当事者に出会えたのだ。これで事件は本格的な究明に向かうだろう。
だが、事件の究明はすっきりとしたものではない。人間の苦しみと醜さなどの暗部を見る事になるからだ。
「あんなお嬢ちゃんにある闇…」
野瀬は言葉の瞳を曇らせた闇と対面する事に深いため息を静かに吐いた。
言葉の担当医師は1週間入院させて体力を回復させてから住んでいる原巳浜の自宅で療養させるべきだと言った。
いくらほとんど容疑者であると確定していても身体の弱っているのを無理矢理は連行できない。
退院した言葉は両親と共に原巳浜へ帰った。この時点で両親は野瀬から自分の娘がどんな状況で海保に身柄を確保されたか聞かされていた。両親は「少しの間は療養が必要ですから」と野瀬に娘が警察に行くまでの猶予を求めた。野瀬は「まあ、体調が整ってからでないと無理ですからね」とお茶を濁した。
事件から1ヶ月が過ぎた。年を越して正月気分が抜けた頃に野瀬達は桂家を訪れた。
気さくに野瀬に「久しぶりですね」と話しかける言葉はどこか仮面を被った様に見える。
「桂さん。原巳浜署まで来てくれませんか」
野瀬が重い声で言った。
「何故ですか?」
言葉は平然と言った。
「西園寺世界さんに伊藤誠君の事で聞きたい事があってね」
それを聞いた言葉の表情が一気に醒めたものへと変わり野瀬達に背を向けた。
「知りませんよ西園寺さんなんて」
言葉の口調にはどこか怒りが含まれた冷たいものであった。
「少しでも良いから話して欲しいの。お願い」
森野がこう言っても言葉は「私は西園寺さんなんて知りません」と繰り返すだけであった。
逆に「誠君にはいつ会わせててくれるんですか」と厳しい眼差しで聞かれる。
今や言葉をなだめる役になった高町でも彼女を動かす事は出来なかった。
「言葉…」
3人の刑事達が困り果てたのを見かねた言葉の母親である桂真奈美が話しかける。
「言葉。この人達の言うことを聞きなさい」
「どうして?何でこの人達に」
哀れなる自分の娘。今は犯してしまった過ちを償わせなければならないと母は必死に娘に言い聞かせる。
「言葉。何をしたのか分かっているでしょ?」
「私は…私は…」
母親が初めて事件について触れて言葉は動揺した。
「いい加減にしなさい言葉!」
真奈美は一喝した。言葉はそれに打ちのめされたように頑なな態度から黙って大人しくなった。
「お母さん。よろしいですね?」
野瀬は真奈美に確認した。
「娘を…お願いします」
母親の了解を得て森野が言葉に寄り添い任意同行での連行をした。言葉はうつむいて黙ったままだった。
「そうです。私が西園寺さんを殺しました」
原巳浜署での取り調べでは言葉は西園寺世界殺人を認めた。
「西園寺さんは包丁をジャンパーのポケットから取り出そうとしたので私はその西園寺さんの右手を掴んで包丁から手を離させました。そして私は西園寺さんの首筋を鋸で斬りました」
その殺害に至る場面を言葉はすらすらと語った。けれどもその供述を語る口調は無感情であった。凄惨な現場を思い出しているにも関わらず。
「それから貴方はどうしました?」
取り調べをしているのは野瀬だった。一応言葉の近くに森野を置いて女性に対する配慮を形式的にした。
野瀬は世界殺害後の言葉が行ったあのおぞましい行動を自ら語るか質問した。
「私は…」と一旦間を空けた言葉。
「倒れた西園寺さんの身体に鋸でまた斬りました」
「どこを?」
それまでの滑り良い語りから区切って話す言葉の態度が変わった事に野瀬と森野に緊張が高まる。
「私は。西園寺さんの下半身の辺りを切って…開きました」
言葉は簡単にだが世界の下半身を切り裂いた事を語った。
野瀬はここから更に突き詰めるべきか迷った。感情が乱れ始めた言葉がこれから正確な供述をするか疑問だからだ。
「何故西園寺さんの下半身を切り裂いて開いたんだ?」
野瀬は思いきって聞いた。
「……だって、西園寺さんが誠君の子供が出来たなんて言うからですよ」
言葉の双眸はまたどんよりと暗く映えた。
森野は豹変した言葉と事件の真相に驚きを隠せない表情をした。野瀬はよくある事例としてあまり驚く事は無かった。
「西園寺さんは誠君の子供が出来たて言うから私は病院を紹介してちゃんとした検査を勧めたんですよ」
質問された訳でもないのに言葉は語る。野瀬と森野は黙って聞く。
「でも西園寺さんは聞いてくれなかったみたいで…だから私は調べたんです」
暗く重いその瞳は言葉に悪魔が憑依したように野瀬は見えた。この事件が無ければ血生臭い事とは無縁のお嬢さんそのままだっただろうに。
「私は西園寺の下半身を切って中を確認しました。でも、中に誰もいませんでした」
言葉の言うとおり世界は妊娠していなかった。それは司法解剖で確認されている。
森野は言葉の確認方法を想像したのか車に酔ったように顔色が良く無い。
「それからどうしました?」
野瀬は顔色を変えずに取り調べを続ける。
「私は誠君と一緒に学校を出ました」
ここで初めて誠が供述に現れた。しかし、世界殺害の時にはもう誠は死亡している。それなのに誠と一緒に居たかのような事を言うのだろうか?と野瀬は眉をひそめた。
「伊藤さんと一緒に何処へ行ったのですか?」
野瀬は言葉に合わせる事にした。
「ヨットハーバーです。約束していたんです二人でヨットでクルーズするって」
「そうでしたか。では、今日はここまでにしましょう」
野瀬は取り調べを終わらせた。言葉は署内の拘置所に婦人警官二人に連れられて向かう。
この取り調べで言葉は世界殺害を認めた。これにより言葉は任意同行による拘留から裁判所から逮捕状が発布されて逮捕となる。
罪状はここでは世界殺害による殺人罪である。
ロサンゼルスを足掛かりに米本土へ上陸した我が皇軍は苦戦を強いられながらもサンフランシスコを占領
(司令部破壊)して沿岸より内陸のユタ方面軍を撃滅すべく更なる戦いに皇軍は向かう。
1943年7月27日 ユタより西の地域
副官「支隊長!連隊規模の歩兵を伴う敵が接近中であります」
支隊長「歩兵戦力ではやや劣るが戦車戦力がある我が方にまだ有利だな」
副官「ですが、その中に変な部隊があると斥候からの報告です」
支隊長「変だと?」
副官「なにやら兜を着込んだような歩兵部隊とのことで・・・」
支隊長「何だこれは?冗談か?」
副官「前代未聞の新兵器としか・・・やはりアメリカの国力は恐ろしいものですな」
支隊長「いや、それどころの物じゃねえだろ」
この米軍の新兵器である「機械化歩兵」に遭遇した日本軍支隊。その戦力は歩兵部隊1個・九八式軽戦車部隊1個・九七式中戦車部隊1個からなる。対して米軍は歩兵部隊2個に機械化歩兵部隊1個に補給車部隊1個である。
支隊長「先制攻撃だ。戦車部隊を突撃させよ!」
皇軍の主力戦車である九七式中戦車チハが奇怪な敵へと挑んだ。
(↑機械化歩兵と戦い黒煙を上げる九七式中戦車・・・)
支隊長「圧倒的に負けているじゃないか!」
副官「支隊長。海軍航空隊が援護に来ました」
空母「大鳳」から発進した九七式艦上攻撃機の部隊が250kg爆弾を降らして敵機械化歩兵の半数近くを撃破した。だが機械化歩兵も右手の40ミリ機関砲で九七式艦攻を返り討ちにした。
副官「敵機械化歩兵の情報を手に入れました」
アメリカ軍機械化歩兵
移動2 燃料30
防御力 対空40 対地80 対海上60
攻撃力 40ミリ機関砲 対司令部20 対航空機55 対戦車80 対歩兵90
支隊長「化け物じゃないか・・・戦車よりも強いぞ」
ちなみにこのステージに出る米軍のシャーマンⅡ戦車は
防御力 対空15 対地35 対海上35
攻撃力 75ミリ砲L40 対司令部15 対空0 対戦車60 対歩兵70
である。どれほど違うかお分かりだろう。
まさに時代を超越した「機械化歩兵」。それに驚愕しつつも支隊長は最大の脅威となった敵機械化歩兵を撃滅すべく部隊に攻撃命令を下す。
(↑7月28日の状況。九七式艦攻と零戦21型が居るが雨で航空支援が出来ず・・・)
(↑機械化歩兵と銃撃戦をする日本軍歩兵)
対地防御力は20なれど対歩兵の攻撃力は80と高い皇軍歩兵。しかし、彼らの撃ち出す三八式歩兵銃の6.5ミリ弾は機械化歩兵を貫くにはいささか力不足であったようだ。
副官「歩兵の攻撃に戦車による再度の攻撃も数は減らしていますが、こちらの損害が余りにも・・・」
支隊長「もはや我が部隊では無理か。やむを得えん、航空隊に頼ろう」
(↑戦闘機「飛燕」の銃撃を受ける機械化歩兵)
歩兵も戦車も攻撃する力を失うほどに戦力が低下した日本軍支隊(残存はチハは3・歩兵は5)最後の手段として陸軍航空隊が出撃。三式戦闘機「飛燕」が機械化歩兵に襲い掛かる。
ドイツから輸入したマウザー砲こと20ミリ機関砲による猛火線で敵機械化歩兵の残存を全て撃ち倒した。
ここまで3ターンを費やした。なんて強いんだ機械化歩兵。というか何で1943年でこんな物があるんだよ(笑)
機械化歩兵はこのゲームのマダガスカルのステージにも登場する。それは1946年のドイツ軍が持っているユニットである。にしても米軍が持っているとは思わなかった。
ちなみに「Sロサンゼルス」という名前のステージです。
(MSN産経ニュース)
インド洋での海上自衛隊による給油活動を延期する新テロ特措法案が審議される中で民主党は海賊対策に海上自衛隊を活用しようと提案した。
自民党は検討すると民主党の提案に答えたが、果たして海上自衛隊にそれは出来るのだろうか?
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200810210033.html
(CNNより。ソマリア沖でインドの貨物船が海賊に乗っ取られる。今年で海賊被害が30隻目)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pirate/index.html
(外務省 海賊問題の現状と我が国の取り組み)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2321509/2429852
(AFP ソマリア沖海賊に乗っ取られた日本のタンカーを米海軍が包囲)
海賊被害はマラッカ海峡が多かったが、最近ではアフリカのソマリア沖で頻発し、とうとう今年は30隻の被害が出た。
ソマリア沖で増えたのはソマリアの目の前にスエズ運河を通る航路が通っているからだ。この為に各国の船舶が被害に遭っている。貨物船やタンカーに豪華客船・国連の救援食糧を積んだ船など様々な船舶がターゲットにされた。先月末には戦車30両や弾薬を積んだウクライナの船が乗っ取られるという出来事まで起きた。
重要な航路であるソマリア沖。ソマリア自体は政情不安であり(暫定政府はあるがそれに対するテロが頻発。いつ内戦が再燃するか分からない状況である)海賊を取り締まって貰う事は不可能だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008100302000128.html
(東京新聞 ソマリア沖海賊対策に米欧ロが共同戦線)http://www.cnn.co.jp/world/CNN200810200005.html
(海賊対策でNATO艦船がソマリア沖に到着)
この異常事態に被害を受けた各国は動き出した。NATO(北大西洋条約機構)の艦船7隻が現在ソマリア沖に展開して活動をしている。また、戦車と弾薬を積んだウクライナ船を奪還するためにロシア海軍の艦艇もソマリア沖に向かっている。
この中に日本の海上自衛隊が入っていけるのだろうか?
作戦自体は海自の特殊部隊である特別警備隊にSH60対潜哨戒ヘリ(特別警備隊の作戦を支援する)を護衛艦に積んで行けば出来るものである。経験値でいえば暴動を起こした船舶の鎮圧をした事がある海上保安庁の特殊部隊であるSSTの隊員を同行させるのも良いかもしれない。
海上警備隊は秘密の部分がかなりあるが、不審船対策に端を発した部隊であるから海賊に乗っ取られた船舶への突入は可能であると推測する。
船舶の解放と奪還目的では無くソマリア沖に展開してパトロールをするのも抑止力の一環となって良いし、現在の日本が出来る(政治的な理由で)作戦であるが、自国の貿易航路を守るのは各国海軍共通の重要な任務であるのだからやはり奪還と解放を重視した海自派遣にしてもらいが・・・。
まず問題は法的なものである。
憲法で禁じられているとされる「集団的自衛権」に触れる可能性がある。各国海軍の艦艇が集まっている海域では連携しての行動を求められる。それが緊急性の高い海賊への対応となれば尚更である。
インド洋での海上自衛隊の給油活動はその集団的自衛権問題をどこの指揮下に置かれない日本独自の活動であるからとして乗り越えている。
仮に日本の船舶が海賊に乗っ取られてフランス海軍の艦艇が先に現場に急行して追跡しているという状況で考えてみよう。
海自艦艇はフランス海軍艦艇からの情報を受けつつ現場に向かう。この点を集団的自衛権に当たると問題にされないか不安である。
そして乗っ取られた日本船舶に追い着いた場合はフランス軍と共同で作戦をするのか、フランス軍艦艇には退去して貰い海自だけで事態に対処するのかも問題だ。それこそ集団的自衛権の問題になるからだ。
戦争に巻き込まれない方便として使われた他国軍との共同作戦を封じた集団的自衛権の放棄が自国の国民と利益を損なうかもしれない可能性がある。
次の問題は派遣される海自艦艇をどうするかだ。
インド洋の給油活動には補給艦1隻、その補給艦を護衛すべく護衛艦1隻が付いて部隊が編成されている。
護衛艦は30隻以上があるが、それらの艦艇の乗組員の数は定員を下回り7割ぐらいとも聞く。果たしてそれで海外での新たな任務を全うでるかが不安である。今年の洞爺湖サミットでの警備が行われていた最中にボヤを起こした艦艇があった。また昨年12月には私物の冷蔵庫から出火してCICを火事にした艦艇があった。モラルが低下したのだと指摘され、なおかつ人員不足でオーバーワークも強いられる海自の環境。
新たな任務が与えられる可能性が高い今こそ海自の職場環境の見直しと改善が急務である。
だが近畿における本願寺との戦いはまだ小笠原家有利とは言い難い状態であった。
上の地図は天神山城攻略時の近畿地方での小笠原家と本願寺の支配する城を示したものだ。
青が小笠原家。赤が本願寺である。
京を除けば本願寺はほとんどの近畿地方にある領地を維持していた。長宗我部軍に攻略された紀州の雑賀城はあっけなく本願寺軍に奪還されていた。
四国の阿波や讃岐に長宗我部を追って本願寺軍が上陸して長宗我部家を滅ぼしていた。
まさに本願寺の勢力は今だ衰えていないのである。
「石山御坊は周囲に沼地が広がる天然の要害。
ここを攻めるのは簡単では無さそうでが・・・」
「けど、姫路を攻めるのも難しい事だわ。姫路の兵力と防御もかなりのもの
白薔薇達だけでは荷が重いわ。それに下手をすれば四国の本願寺軍が
天神山城に攻め入るだろうし・・・。ましてや私達が京を空けて姫路攻略の
援軍 に行くのは論外よ」
「では、調略で本願寺の家臣を寝返らせますか?」
「そんな悠長な時は無いわ。時が過ぎればますます本願寺の勢力は広がるばかり
石山へは力攻めで行くわ」
この無謀とも言える小笠原軍の石山御坊攻めが始まった。本願寺軍は大砲をも据え、多くの鉄砲隊で待ち構えた。何よりも如顕の仇を討つとして士気は高かった。
「激しく抵抗をしていますがどうやら城内の兵力はあまり多くないようです」
「四国にまだ多くの戦力を裂いてしまったようね。この好機はなかなか無いわ
一気に城内へ進むのよ!」
狂信的な本願寺軍の抵抗も数の劣勢を覆す事は出来なかった。城内への小笠原軍の突入を許すと本願寺軍は総崩れとなった。
勝利をあまり期待出来なかった石山攻めであったが短期間の内に攻略を成した。永禄12年10月の事である。
だが、同じ頃本願寺軍は思わぬ反撃をしていた。
備前 佐藤軍本陣
「たっ大変!別の本願寺軍が瀬戸内海より上陸したわ!」
「なっなんだって!こっちは囮か」
姫路城から出陣した本願寺軍を迎え撃っていた佐藤聖率いる白薔薇衆の軍勢。しかしその隙を狙うように阿波から瀬戸内海を渡って別の本願寺軍が備前に上陸した。
「狙いは天神山城だろうね。すぐに戻って守りを固めないと」
姫路からの敵軍を撃退した白薔薇衆は天神山城へすぐさま駆けて戻る。
しかし・・・
「敵が吉田郡郡山城を攻め落としました!」
「ええ!」
まさに裏をかかれてしまった佐藤聖。本願寺軍は天神山城を横切り西へ向かい安芸の吉田郡郡山城を攻め落とした。
急いで安芸へ向かい郡山城を奪還せんとする白薔薇衆。2ヶ月の攻防を経て郡山城は小笠原家の手に戻ったが本願寺の強い抵抗の意志を示す出来事であった。
永禄13年を迎えた。
小笠原家は摂津の多聞城を毛利元就率いる軍勢が攻め落とし、越前では山名祐豊率いる軍勢が後瀬山城を攻略。近畿と北陸で勢力を拡大した。
春になると年号が永禄より元亀に変わる。
その元亀元年となった時に近畿での本願寺の戦いは佳境に入った。
小笠原軍は摂津の高山城へ10800の赤薔薇衆の軍勢を率いて攻めた。
(↑高山城での戦いの様子)
対する本願寺軍は9600。本願寺軍がやや劣勢であったが城外での決戦を挑んだ。
大友義鎮などの一部の隊が敗走し、祥子本陣にま本願寺軍は迫った。
「本陣といえど敵は討つ!皆の者参るぞ!」
「祥子様の本陣までもが戦っている。もっと頑張らないと
なんとしてでもここは退いてはならない!」
淀川合戦以上の激戦であった。積極的に攻め立てる本願寺軍に祥子も本陣の兵を率いて太刀を振るい戦う。
双方の剣先に怒号と悲鳴が幾重も重なる正面からのぶつかり合い。だが松永久秀の別働隊が本願寺軍の側面を攻めると形勢は徐々に小笠原軍有利に傾く。
正面と側面に兵力が分かれた本願寺軍は兵力を削られとうとう潰走する隊が出始めた。
「敵が崩れた!一気に高屋城まで進むわよ!」
「待って下さい高山城より軍使が来ました。
開城するそです」
本願寺軍の士気は喪失していた。高屋城は戦う兵に力が無いと悟り開城を決意した。元亀元年4月の事である。
その後も本願寺軍は摂津で一揆勢を繰り出したりと抵抗を続けた。しかしその力はもはや逆転出来るものでは無くなっていた。四国では島津が本願寺の城を攻めついには紀州の雑賀城まで奪った。
元亀元年10月 播磨姫路城
「軍勢の半数を失ったのですよ。ここは退くべきなのです!」
「くっそう、二の丸まで来た言うのに・・・」
佐藤聖率いる白薔薇衆は四国でほとんどの本願寺の勢力が島津によって撃退された事から側面の不安が無くなり姫路城を攻めた。
今や昔日の面影も無く姫路城のみとなった本願寺軍だったが抵抗は衰えない。いや、最後の戦いだからこそ激しく戦った。
本願寺軍が放つ弓矢に鉄砲の雨を受けながらも潜り抜けて姫路城内奥深くに侵入した白薔薇衆であったが半数の兵を失い進退極まっていた。
たとえここで退いてもどれだけ生き残れるか。だが、このまま進んでも討ち死に。果たしてどうするか・・・
「柳生宗厳の隊が本丸へ突入しました!」
「敵の動きが乱れた。ようし、このまま攻撃続行だ」
血路を開かんと動いた柳生宗厳。それが功を奏した。
この柳生隊による突入が本願寺軍の士気を奪い混乱させた。
落城間近となり本願寺証恵は姫路城から阿波の十河城へ落ち延びてから姫路城は開城した。
その後。本願寺の残党が立て籠もる十河城も翌年1月に島津軍に攻められて落城。本願寺は戦国の覇権争いから姿を消す事となった。
祐巳と瞳子の軍勢も到着し、京を中心とした近畿地方への足掛かりを築いた。
「浅井家との同盟を結んで参りました。これで本願寺攻めに
全力を振り向けますよ」
「こっちもさっき禁裏から帰った所よ。ようやく従七位下東市佑
の官位を貰えたわ」
「上洛してから順調ですね。お姉さ・・・いやいや、御館さま」
「まだこれからよ。ここは本願寺の勢力圏なのだから。
同盟を結んだ浅井も本願寺と縁が切れたか怪しいものだわ」
「申し上げます!本願寺の軍勢が石山御坊より出陣!京へ向かっています」
「ただちに出陣!京には入れさせない!」
石山本願寺の本拠地である石山御坊より出陣したのは当主である本願寺顕如自ら率いる軍勢だった。
本願寺にとっては懐に飛び込んだ敵という軍事的な意味もあったが、何よりもカトリックの信仰がある小笠原家を畏怖すべき宗教上の敵として見ていた。
出陣に辺り顕如は諸将や兵らに「これより邪教の軍勢より京を取り戻す」と檄を飛ばしたという。
まさに宗教戦争の様相を見せ始めた小笠原家と石山本願寺との戦い。
その初めてとなる大規模な合戦が淀川を挟んで展開された。
両軍とも退かず攻め立てる。小笠原軍は京を失いかねない。本願寺軍は勢力圏の中心地から小笠原軍を撃退して威信を保てるかどかの瀬戸際である。
淀川の下流が濃い血の色で満ちた時に雌雄は決した。
小笠原軍の勝利であった。
「まるで葬列みたいだわ・・・」
戦場より離脱する本願寺軍。その中でも統制を保つ軍勢の姿を見て祥子は思った。
その祥子の予感は当たっていたと言える。
この合戦で石山本願寺の大きな柱である本願寺顕如が戦場に散ったのだ。これを受けて本願寺は新たな当主に本願寺証恵を迎えて小笠原家との戦いを続ける事を誓った。
淀川合戦より一週間後 備前天神山城
「もうこれ以上は進めません・・・」
「ここが潮時ね。全軍撤退!」
本願寺の備前天神山城の攻略が始まった。堅陣を知略を尽くした策では無く戦力の大量投入という人海戦術に打って出た。
志摩子と乃梨子の先鋒隊。これが天神山城の防御力である門を壊し、守備兵力を削ぐのだ。
激しい本願寺勢の抵抗で二の丸でさえも近づけ無かった藤堂隊であったが聖率いる本隊が進む道を切り開くという目的は達した。
「行けるぞ!進め!進めえ!」
志摩子・乃梨子隊が与えたダメージは予想以上に大きく。入れ替わりで突入した佐藤聖率いる白薔薇衆主力は次々と守備兵を蹴散らし城内の門を開いて軍勢は進み、とうとう遠くにさえ感じた本丸を落とし天神山城は陥落した。
この6月に起きた二つの小笠原家と石山本願寺の戦いは勢力図を塗り替える分岐点となった。
だが、依然として本願寺は強大な勢力を保ち対峙している。
その裏では近江を巡って浅井と朝倉家が攻防を繰り広げていたが、美濃を制覇した織田信長が浅井と朝倉の両方を呑み込むように滅ぼして近江を勢力圏に置いた。
近畿の戦場は新たな勢力を迎えていた。
「ならば織田家と同盟を結びます」
小笠原家には二大勢力を相手取る力は無かった。本願寺との雌雄がまだ決まらないこの時勢では祥子には選択肢は無かったと言える。
永禄12年7月。小笠原家と織田家の同盟が成立。
この時に祥子と面会した信長は後に家臣へこう語ったと言われる。
「あの女は野心に満ちておるわ。ワシ以上に」